世界の碁笥:高野コレクション

(Ⅱ)

No..6~10 (24中)

                                   高野圭介







(06) 
 中国  碁笥と碁石

雲南牌  雲南囲棋幣製


ザルの碁笥に、白黒の練り石・極上品です。
碁石の改良型・・・両膨らみの日本型。  注:昔は無かったもの。


打つことを「下棋(シャーチー)」と言います。

「日本のように、パチッと気合いを入れて打ちたい」という中国人の願望を満たせる碁石です。


橋本宇太郎先生のジョーク

「中国では、アゲハマ(取った石)を碁笥の蓋に入れないで、相手の碁笥にポィと入れます。
それから「ザル碁」という名がつきました。」






(07)  
ドイツ 碁石   日本  竹製の碁笥

1980年代のこと。
 未だ、ベルリンの壁が立ちはだかっていたときのこと、
橋本昌二、家田隆二先生、宮垣実氏らと東欧諸国を囲碁行脚の周遊旅行をした。

 折しも、ドレスデンで交流試合の時、
碁石はボタンに穴の空いてないしろものだった。対局後、対局相手に珍しいその碁石を所望した。
 私がバスに乗っていたら、その時、一緒に居た坊やが駆け寄ってきてこれを渡してくれた。

そのとき、欧州に最初に囲碁伝来したのはドレスデンから、と聞いた
それから、かれこれ30年。

いつしか、連絡も絶え、あの坊やも、もう40才台になっている筈です。
今は、どうしているのかなぁ、、、、






(08)  台湾  応式碁石碁笥

応昌期発案・碁石碁笥

 台湾には ING-rule 名の通っている応昌期がいた。応は中国語ヨミで、イン=Ingと発音するから、
応さんの創作になる囲碁ルールである。

 終局に際し、4個の空白を作ってコミとする。したがって、コミは7.5目黒出しのルールである。
白石180個、黒石181個を埋め尽くして整地する。
したがって、石を埋めきらないで,余ってきたら、その分だけ、勝ちのことだ。
持碁は白勝ちとなる。

 白黒共に、180.181個の碁石を確認してから、対局に入る。そうしないと、計算できない。

これは初期の製品。

如何にもお粗末な感じである。後年のは相当改良されてきた。

 




(09)  
フランス(ニース) 木製碁石

碁笥袋に「碁品」のマークがある

ニースのカーニバルに兵庫県の出し物・篠山本庄三男演芸一座の一員として参加した。
その宿舎の近くの店に、木製碁石が陳列されていた。

 碁石は芯持ちの木製のと柾の木製のとあって、それぞれ \15,000.と\25,000.で
、ワー高い!と思ったが、安い方を買い求めた。

 その昔、宍粟郡・波賀町で、スマルという木を輪切りにして、
碁石を作ったという伝説的事実を再現した感じであった。
cf:スマルはジャワ原産の木・宍粟の碁p.144

サンプルとして柾(マサ)の木製も。

その時、サンプルに柾目の碁石も戴いた。
その店は、玩具やさんであったが、数年後に、立ち寄ったが、その店は無かった。

 




(10)  日本  身障者用碁器

福祉事業に挺身する浜辺荘からの贈り物。

森野節男九段考案・九路盤碁石碁盤

 健常者と、身障者には視覚問題に相当なハンディがある。それが、どれほどのハンディか?
自分で,目隠しをして打ってみると、全く分からなくなってくる。当然と言えば当然.


(盲棋)

私はかって北京で打った碁がある。相手は終始全くの目隠しをしたまま打つのだ。

白 鮑 雲(盲棋) vs 先 高野圭介

2009年5月15日 於 囲碁サロン「天地間」
214手以下略 白中押し勝ち 所用時間 4時間
http://gokichikai.on.coocan.jp/pekin-gokonovsbou0904.html

 天才・鮑雲さんは頭の中に盤全体が確かに入ったまま4時間、ダメまで打ち切った。