コ ン ト 「あら、死んじゃった」 

                                    
兵庫県  浜辺 荘

対戦中

その一


Y女史 「先生、この石生きていますか?」

浜辺 「私の口からはっきりしたことは申し上げにくいのですが、
ほとんど仮死状態です。」

Y女史、 しげしげと中央の石を見つめて「やっぱりダメですか」・・・
「何とか助ける方法はありませんか。先生なら生きられる?」

浜辺 「私としても最善を尽くしたのですが、もうこの石に手を入れるのは
     無駄のように考えます。早く諦めて、他を考える方が賢明かと思います」

対戦中

その二

上辺から下辺にまたがる100目を優に超えようかという大石をじっと見つめて、

美恵子女史 「あれ!この石、目がない」

浜辺 「ほんとだ!目がない」

美恵子女史 「知ってたんでしょう」

浜辺 「実は狙ってたんです。こんな大きな石を取れることは滅多にないんで、
まあ、十年に一度あれば幸運な方で・・・」

美恵子女史 「まあ、ひどい!何ていうことを・・・」

浜辺 「まあそう怒らずに、ちっとも苦しまずに、気が付いたら
死んでいたなんて、とてもしあわせですよ」

・・・・「あら、私しあわせ?」・・・・







ゴーズ・ウィルス
九部作






この世に碁が好きになるのは良いけれど、
川柳とか落語で、面白おかしく過大広告をされて、
箒は立てられるは、親の死に目には会えぬはと、
難渋されている方々に同情している次第です。

先だっても、京都は御所にある拾翠亭というお茶室で、
碁吉会の碁会を催したいと、一日借用を申し込んだら、
理由は判然とはしないが、にべもなく断られてしまった。
なおも、あの手この手で、お願いしたが、ダメであった。

どうも賭碁の世界を基準に置いているらしい。
要するに程度が低いと、いう認識が潜在的にあるよう。

おっとどっこい
ゴマンと居る碁打ち達はそのような認識不足を尻目に、
世界中に超高度な囲碁文化を敷衍し、構築しつつあるのだ。
知らざぁ言って聞かせやしょう・・・・実は

「碁が好きになって困るという病気のウィルス」という
GORS VIRUS の存在を、働きを・・。


これが、TPOで形を変えて具現し、吉凶に映ってくる。
ここに、目の前に取り出してご覧に入れよう。

碁のメッカ・碁吉会の殆どの方に感染して蔓延している何ものかは
ゴーズ・ウィルス GORS VIRUSと命名されていることを。
しかも GORS VIRUS は手を変え、品を代えて出没しているさまを。