生まれ出る不思議さ

                                 講師 藤保君子


講師紹介

千曲川の人。看護師。本年74歳。姫路市在住。
キリスト教の敬虔な信者で、身を挺して黄金律の実践に当たっている。
バチカン市国でローマ法王と親しく握手したなど貴重な体験の持ち主。

注:黄金律《golden rule》は内容が深遠で、人生にとってこの上なく有益な教訓。
新約聖書のマタイ福音書にある山上の説教の一節
「すべて人にせられんと思うことは人にもまたそのごとくせよ」をさす。




空にして無

人が生まれる。
一回20億の精子が卵管を通ってただ一個だけ子宮に着地する。
新しいDNAの誕生である。このDNAはときところも何一つ選べない。

もの心が付いてきて、成人し、靑壮年となって老いていく。
やがて誰しも人生の曲折を経て、一人残さず永遠の彼方に旅立つのだ。
一生を振り返ってみる時、人生に果たして実体なんてあるのか?
人生は所詮空であると論じておかしゅうは無い。



殆どの宗教が教えている。
色即是空空即是色。この世の全ては無であり空であると。

 




「人生完成期に思うこと」

私は看護師としての仕事から、高齢者社会と深く関わってきました。
その体験の中から、自分がいろんな視点で見詰めていることが分かりました。

・・・藤保君子のことばか引用文かは不明です・・・



1.生きるとはひとえにどのように時間を使うかにかかっている。

2.今ここに居ること自体不思議なことだ。

3.今からはここから、人は生きてきたように老いていく。

4.永遠への旅立ちの着地点がわからないことは恵みだ。

5.「今まで生きてきて、この世はいかがでしたか?」
  2秒考えて「なにしろ初めてのことですからねぇ」


 
癌め!

看護師として実践に当たった体験談が随所に語られた。
とりわけ、抗ガン剤の副作用で苦しむ人たちのことが再三語られた。

私の関心事は「明日は我が身の癌」に移っていった。


癌の対処は


                                      高野圭介

人間の死因は半分は癌である。さあ、私も用意せねば。
抗ガン剤のお世話になっても「四つの痛み」から逃れられそうにない。

1.精神的痛み・・・・心の痛み

2.身体的痛み・・・・肉体の苦痛

3.社会的痛み・・・・経済とか子どもなど。

4.魂の痛み・・・・・宗教上の痛み


この歳(80歳も半ば)ともなれば、もう抗ガン剤、手術、等は無用と思った。
癌と闘うに自然に任せるのが最高と思う。
その昔、丸山ワクチンがあったが、今ではホスピスのお世話なども。


 
人生は時間



人生は一過性で単線片道切符の旅である。
個人では時間の外に出ることは出来ない。

藤保君子



300年を生きる


                           高野圭介

 ふと連想した。その昔「人生300年見られる」と喝破した人が居た。
親が話してくれた100年前からのこと、自分が体験する100年。子や孫の行く先100年の予見。
時を超えて生きられるというものだ。