天真爛漫「無季の句」を論じる

兼題 「雲」  大林悦子先生指導

2017年7月27日(木)交友プラニングセンター

                                          高野圭介





次、8月は花火。9月は風。10月は虫。


今回の兼題:「雲」の入選作です。
大林光悦師範の二句だけ記載する


第一席(5点句)   入道雲亡父によく似た怒り肩     大林光悦


第二席(3点句)    銀龍のうねる瀬戸内夏の海     大林光悦


ここに銀龍とは明石大橋?瀬戸大橋?のこと。・・・ちょっと意味不明であった。
ただ、俳句らしい・・・と私は思った。



今回の
兼題「雲」は
季語で無く、
作句上無季に
なり易かった。

それだけに、
問題提起の句
を紹介する。


 

雲裂けて夏日一瞬湖を刺す   敏恵

「天使の梯子」と呼ばれている現象を詠んだものか。



天使のはしごとは、雲間から光が漏れて、太陽光線の柱が
放射状に地上へ降り注いで見える現象。


 
逆立ちて強張る腕や雲の峰       傘二


神戸新聞の俳壇:水田むつみ選に投句した。
特撰(一句)には至らなかったが、見事入選された。


夏の雲夕日のオレンジ吸い込みぬ   はるな


蕪村のような情景を素直に詠んだ句である。素晴らしい!
私だけしか採っていない。
 

入道雲蝉の抜け殻夏休み   はるな


これは夏の季語が三つ入っている。 
「三段切れ」といわれる句である。

「三段切れ」とは
「三段切れ」の俳句とは、句の途中の二か所に切れが入り、
一句が三つの部分に分かれたような俳句のことをいいます。

俳句はただでさえ短いので、それをさらに三つもの部分に
切り刻んでしまうと問題です。

しかしながら、「三段切れ」は決して禁じ手ではありません。
有名な三段切れの俳句があります。
目には青葉山ほとゝぎすはつ松魚 (山口素堂)

 
雲の峰ちぬの海越へ橋を架く    吾季


雲の峰か、峰の雲か。他の句で問題になった。

ちぬは「ちぬ鯛:のことで大阪湾一帯で獲れるから、
ちぬの海は大阪湾一帯を指す。



私:高野の出句は皆さまの眼には2点句止まりだった。


慈雨豪雨神の召すまま夏の雲      高野圭介

雲切れて夏の雷鳥チャチャチャ     高野圭介

夏の雷鳥は衣替え雷鳥を修正したもの)         




句会の二十二句です。