高野圭介(虚石):囲碁











 




 


冬突風傾きの急身体飛ぶ   虚石



ヨットのスピードは斜め前の風・秒速15metreが最適のようだ。
本日は往路は追い風、復路は願ってもない順風満帆であった。
加えて
「自転車よりも巧いヨット」と自負する村上舵手の張り付き。

突風がときどき襲ってくる。突風の予兆・速さは不明である。
そのとき瞬間に、船体は斜走に替わる。

私の定位置は右後方の隅で、一際高い椅子席だ。
強烈一番の突風が襲ってきた。船体は30度傾いたという。
気が付いたら、左下の船底に身体ごと吹っ飛ばされていた。

さいわいと言うか、不思議なことにかすり傷一つもない。
ただ、帽子だけが海中へ飛んでいった。 bye!


                                         高野敬白