第一着手は右上隅から



                                              高野圭介

第一着手
「第一着手は右上隅からというが、
やはり守らねばならないことでしょうか?」という質問を受けた。

自由の方向
 昔は遵守すべきと、教わったものですが、インターネットで、世界の碁となった今は、
自由の方向に進んでいるようです。
 碁盤はパソコンの中にあるもので、「足の付いた木製のものも碁盤だったの!」という
子どもも居るのが実態なのだ・・・・という話もある。

 そのような会話があったばかり。



将碁友の会の
公案


 布石・打ち方の説明はすべて右上隅からの図になっているのに、
入門書を見ても「盤面のどこに打つのも自由」が
囲碁のルールであると説明されるばかりで、
第一着手は右上隅がマナーだ、慣習だなんて一切教えません。

  プロの対局では、外国棋士も含めて99.9%と依然高率ですが
  アマの対面対局  95%
  ネット対局(日本)80%
  ネット対局(外国)50%以下というような説もあります。

 
この傾向がどんどん進んでいって本当によいのでしょうか?
伝統を大切にしたいという意見もあります。

自分は慣習どうり右上隅から打とう。
そして
相手が右上以外から打ってもイライラするのはやめよう。


(入門書もプロも棋院も右上隅からがマナーだ、慣習だと教えない。
 これでは新しく覚える人が右上以外から打つのも当然と思えるから)

 


 
   




歴史の
教えるところ


第一着手は右上隅からというのは囲碁愛好者の常識でした。
だが今は変わりつつあるようです。

 その契機となったのは、1933年、
呉清源、木谷実両者提唱の「新布石」からではなかったでしょうか。

 木谷実が長谷川章に白番・三連星を敷いて勝ち、
呉清源が本因坊秀哉に先番「三三・星・天元」と打って、全天下を驚嘆せしめた。

当時、本因坊家では三三は鬼門とされていたし、
星・天元も、常識の内にはほど遠いものだった。

今では依田紀基が第一手から盤中の好きなところに
打ち下ろすといった離れ業 を演じている。

古式に倣わない
 私自身、第1手は星打ちが多いので、実戦では古式に倣わない。

どこから打ってもまったく違和感はない。
知っていても良いが、まったく自由で良いと思う。

泰然自若と
 もし、古式に則っていないからといって、怒り心頭に発したら、
碁などしっかり打つことは出来ないだろし、勝てるものではない。

 そんなこと、意に介しないで、泰然自若と盤に向かいましょう。