一にも辛抱、二にもシンボウ


  高野圭介  vs  3子 東屋 弘

黒190手まで   白中押し勝ち

                                         高野圭介

 意気軒昂の黒
東屋弘さんは三日前、家田隆二八段に三子敷いて快勝したばかり。
まさに意気軒昂。自信満々で盤に向かったものと推測する。

 愁眉を開くか
本局、黒108手まで、4隅取って、中打って、中も天に向かって言うこと無し。
このまま収束すれば形勢は黒のものと確信されたに違いない。

局面打開の白109手のワリコミが果たして愁眉を開くか。
こうして、白115が導かれた。

黒は白127を見落としていた。更に、
黒138は白101の左に1目喰わして、本コウも見落としていた。

 堅く打つべし  
黒144はまさに良い見当のケシに見えた。
ところが「取り石の近辺、堅く打つべし」の格言に
反していたのかも知れない。

変化して、白157で捕まった感である。

 辛抱の成果  
滅多なことではこのような碁は打てない。

黒が相当強くて、乗っている状態で無ければこうはならない。
白も相当に辛抱が無くてはならない。

一口に言って、辛抱の成果であろう。