アマの詰碁とプロの詰碁

                                           高野圭介




 アマの詰碁とプロの詰碁

                                       高野圭介

 詰碁の卓越した作品は刮目して見据えるほど素晴らしい。
それは自分では解けないが、形を見ても解答を見ても感動するばかりだ。



石榑詰碁の推薦状:中山典之棋士

 その昔、高川格がある詰碁に接したとき,感嘆して「この詰碁、2000円で買った!」と言ったと言う。
 これは一つの寓話だが、感性が研ぎ澄まされて創作された詰碁は光彩を放っている。
プロの心を捉えて放さないのだろう。

 問題は、その詰碁が価値があると言うこととアマの解ける素質というのとは同一では無い。
そして、アマに役立つ詰碁かというと更に疑問が漂う。

 昨今の詰碁の傾向を見ていると、奥の手の秘技、幽玄の手筋を
競い合っているのでは無いかと思えるほど、プロのシュピーレンではないかと。



 これは大まかな感じだが、ほんとうに子どもから大人まで、アマが楽しんで取り組める。
あるいは実戦に役立つ詰碁はどんなのものだろうか?そう思ったとき、
一つを挙げれば「目で解く死活」瀬越憲作著がキチッと系統立って見事である。
基礎学力教科書向きにはトップであろう。

詰碁入門書としては「次の一手集」家田隆二著を推そう。

 これを楽しくおもしろくと言う観点に立てば、いよいよのところ、
我田引水、自画自賛、贔屓目で無くとも、わが「おもしろ詰碁」にトドメを刺すと喝破したい。