棋譜管理ソフトとエクセル

                                          内山和彦


 

自在にパソコンを操る能力

出版事業の実体は以前とは様変わりである。
以前、私の著書「宍粟の碁」とか「すざら碁仙」などは活字を拾って作成したものだが、
昨今はパソコンを駆使出来ないと、一歩も前に進まない。

幸い、平素からお世話になっている内山さんが自在にパソコンを操る能力を傾注して戴きました。
お陰様で、最高の能率で作業が進みましたこと、厚くお礼申し上げます。

                                     高野圭介 記




棋譜管理ソフトとエクセル

                                     内山和彦

「おもしろ詰碁」出版にはパソコンで原稿作成上、棋譜管理ソフトのいわゆるデジタル碁盤が必要です。
 今は有料・無料のソフトがたくさんあり、私も2,3使用しています。
各ソフトは独自のファイル形式を持つものが多く、有名なSGFファイル形式に変換できるもの、
読み込めるもの等が主流です。

 棋譜管理ソフトですので、非常に詳細な処理や、碁石に番号、記号等が付記できるものがほとんどですが、
これほどなんでもできるソフトに、なぜこんな処理ができないのかと、不満に思う点もあります。

 
 今回の出版に当たっては、印字の美しい「囲碁ライター2」を使用することにしました。
このソフトは、多くの新聞や棋士に使用されている歴史のある棋譜管理・編集ソフトです。
独自のIGDファイル形式を持っていますので、詰碁問題と番号付き解答の二つの盤面を作成しても、
そのままでは印刷原稿にはなりません。問題画面や解答画面は、汎用性のある、
画像劣化の少ないBMP画像に変換しました。

 


BMP画像があれば、たいていの有名ソフトで使用可能です。使用ソフトはエクセルを利用することにしました。
書類の印刷に限れば、ワードや一太郎が選ばれるのですが、文書作成ソフトのこれらの諸機能は、
ほとんどエクセルでも可能で、もっと多彩です。
私はたいていの文書はエクセルで作成し、ワード等は使用しません。

 各ページに碁盤のBMP画像をペーストするため、ワード等の文書作成ソフトでは、微妙な調整がむつかしいのです。
その点エクセルは画像配置も自由ですし、なにより左右上下の間隙も自在です。


 今回「おもしろ詰碁」問題は約200題で解答も200画像です。合計400の画像ですが、
出版印刷可能画像の作成にBMP画像の元画像作成が必要ですので、総計800の碁盤画面を作成しましたが、
スムーズに処理できましたので、囲碁ライター2とエクセルの選択は正解であったと思っています。