詰碁の碁盤

                                          高野圭介

 

詰碁の碁盤

                  高野圭介

「おもしろ詰碁」作成に当たって、200題というたくさんの詰碁を
出来るだけ統一した大いさの盤にしようと、腐心した。

 9路盤ではやや足りなくて、13路盤ではやや間の抜けた広さを感じた。
そこで11路盤が俎上に上がって、結局11路盤と決まった。今では、程良い広さと思っている。



 今ここに、碁盤の大いさを考察する。


1.

1路盤・・・ブラックホールで、第一着を打てば、 着手禁止で打てない。
但しニュージーランドルール では、自殺手も許可されているから、別の次元の話 なのだが。


2.
2路盤・・・「ダメの長生」と命名した。
 問題は2手目。対角線以外はポンとトラれてお終い。
 ところが、対角線から順次空点へ打って行くと、次 々ダメヅマリで、気持ちよく石がトラれていく。
これはダメヅマリを巡っての「7手までの同形反復」である。



恰も「長生」が眼形の二子を巡っての同形反復の循環劫に対してと、ご理解下さい。



長生=循環劫・・・試みて下さい・・・


3.
3路盤・・・福井正明提唱の「3路盤」

 そのサンプルをお眼に掛ける。これは順次取って行き、エンドレスに推移する。




 
4.
4路盤・・・ゆわゆる「よんろの碁」

 張羽提唱の一般の囲碁ルールに則った変化が見られ る。作りものだが、
この狭い小宇宙に、よくもまあ 次々と新型が生まれるものと思う。



 
5.
5路盤・・・先手必勝(昔から折り紙付き)の実戦 が出現する。
第一手天元打ちで、難なく勝てるとい う狭さ。でも、碁の原型が出現。

 
6.
7路盤・・・子どもも碁のお勉強に。




 
7.
9路盤・・・井山少年が勝ち抜いて才能を認められた実戦の対局盤。
 一般に、公式戦として認められる碁の広さ。

 
8.
11路盤・・・「おもしろ詰碁」で、登場した詰碁に は最適の碁盤。



 
9.
13路盤・・・昨今、広く打たれるようになり、公式 戦も出現している。
 碁吉会では2005年から「13路盤のペア碁」を導入し て恒例の碁会としてきた。
もちろん「13路盤の手合 い表」も制定している。


 
10.
15路盤・・・連珠の盤



 連珠は15路盤が公式の広さである。
 その昔、アメリカで「アメリカン・ゴモコ」の名人 が居て、15路盤で対戦したことがある。


11.
19路盤・・・普通の囲碁用の碁盤。
 
 
12.
21路盤・・・時折、試みで打たれたことがある。 確か、橋本昌二も打っている。

 19路より縦横2路ずつ広いと、その変化は「21の階 乗」という途方も無い数字の変化となり、
「19の階乗」 とは桁違いに凄い変化数になる。