Fウィーンの森の碁からブタペストへ


 憧れのウィーンへやって来た。
加田美保子女史は笑い転げて話す。

 「ベルリンで碁を打っていたとき私の心は既にウィーンに飛んでいた。
相手がウィンと言うので、ベルリンから次はウィーンへ行くのかと
聞いているのかと思って、イエスと言ったら
お前が勝った、と言っていたのが後で分かった」と。

 今回の旅は同行の誰しもがいつも心の底にウィーンへの憧れがあったので、
音楽の都、美術の都を満喫できたと思う。
所変われば品変わる。否、頭の中も変わってくる。
 バッハ、ベートーベンからドボルザック、メンデルスゾーン、
そしてモーツアルト、ヨハン・シュトラウスが入れ替わり
快い調べをα波に乗せてかき鳴らしてくれた。

   暮れなずむ窓よ宮殿コンサート 

かってのヨーロッパ碁チャンピオンであるヘルマート・ウィルチェク氏と
その仲間を囲んで、ウィーンの森での親善囲碁対局は圧巻だった。
みんな碁に酔った。 

  扇子鳴るウィーンの森の碁打ちたち

ウィーンからブタペストへはオリエント急行だった。
 ブダペストは「ドナウの真珠」と言われ、
ドナウ河畔の小高い丘の上には、ブタの王宮、漁夫の砦、
マーチャーシュ教会などの世界遺産が建ち並んでいた。
観光のそぞろ歩きに、ハンガリア舞曲のメロディに足が軽い。
そして、グレールトの丘から見るクサリ橋を中心とする夜景は
まさに「ドナウの真珠」にふさわしい眺めであったし、
水着での温水入浴は旅の思い出の一頁となった。

二泊後、アムステルダムへ飛んだ。