公開対局考

                               高野圭介


公開対局は席上対局とか、席上公開対局などと言われるように、
いくつかのバージョンがあるようだ。

囲碁の公開対局は平和なものだ。
対局アスリート達も観客も碁盤の上の人となり、存分に囲碁三昧に溶け込める。

プロは全く変わらないが、
アマは1~2子弱くなると言われている。
それは技術の未熟のせい、上がってしまい平常心を失うというメンタルの問題。
いろいろあるだろう。


公開お茶会

コロッセオ


その昔、サンフランシスコでMark Okadaからお茶会に呼ばれた。
ホテルの広い一室の片隅に、20畳ぐらいの舞台を設けて、
そこで裏千家のお手舞が披露される。

それを椅子席の観客数百人が見守り鑑賞する。
いわば席上対局ならぬ「席上お手舞」。

そうだ。ローマのコロッセオで、アスリート達が猛獣と素手で争うたり、
アスリート同士で殺戮合戦をしたり、殺伐なシーンを
観衆が見たと聞く。これは「公開殺し合い」。


三度目の

パフォーマンス


私は今回で三度目のパフォーマンス。

最初は姫路のお城祭りの時、山陽デパートで、
メインイベントの白石裕先生との三子局。

次は京都の比叡山で本因坊戦の前夜祭、佃亜紀子先生との二子局。

そして今回ペア碁の互先の華麗なお膳立ての決勝戦。


聞こえなかった

「秒ヨミ」



前回の二局は何が何だか分からぬうちに済んでしまったが、
今回は加齢のせいで厚かましくなったせいか、
全く普通の精神状態で臨めた。

途中で気が付いたが、加齢のせいで耳が遠くなって
「・・・ビョウ」と聞こえたが、数字が全然聞こえず、
局後「3秒のコウノ」と石井茜先生にご指摘されたような結果となった。

それでも4手目に手番が回ってくるので、
心の準備だけは万全に近かったように思う。

華麗な囲碁足跡
おそらくこのような楽しい公開対局は縁遠くなっていくと思う。

平素碁吉会活動以外そう非凡なことも無い私の囲碁人生に、
今回の公開対局が
華麗な囲碁足跡を刻めたのを感謝申し上げます。