「地中に手あり」の標本にして、額に入れたい

互先  銭  鵬宇  vs  白番  高野圭介
                 黒7.5目コミ出し

2009年5月13日 於 大覚寺
157手完 黒中押し勝ち

                                                          高野圭介自戦記

    

銭宇平少年 
 対局を前に、しっかり握手した。
忘れもしない1,978年8月、上海で銭宇平少年と対局した。
たいていの子どもは黒を持つ。
彼は白を引いて、待っていた。
結果は言うまでもなく、彼の予言通りだった。

銭少年はやがて、
綺羅星のごとく中国棋壇に現れ、将来を嘱望されたが、
天才と気違いは紙一重を地で行き、
精神病院のお世話になっていると聞いたままである。

私は天才肌を匂わせた銭さんに、「銭宇平と何かご関係は?」と聞いた。
そりゃ無いはずだ・・・。

 黒ヨミキリ大作戦  
本局、白74で、5線にハネないで、3線にオサエておれば、
白相当であったと思う。

白90は91だった。

黒137から黒ヨミキリ大作戦が始まる。
絵に描いたように筋に嵌っていく。

まさに「地中に手あり」の標本にして、額に入れたい程だ。
おお、ワンラ!(完了)


         

最盛期を謳歌中。
 

銭さんは広々とした一建の農家を買って、住まいとされている。
美しい奥様と、愛らしい子どもさんに囲まれて、
膨大な蔵書と共に、最高の仙人境であろう。

人生盛衰期でいえば、私は衰退期のまっただ中。
銭さんは持ち前の才覚で、最盛期を謳歌中。
好漢、ますますのいやさかを祈る。



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