不景気の株高



不景気の株高や好景気の株安が起こる理由

 株価と景気の関係は、景気が良ければ企業業績が良くなるので株価が上がり、
景気が悪ければ企業業績が悪くなるので株価が下がるという関係があります。

つまり、「好景気=株高」、「不景気=株安」が通常の関係です。

 しかし、不景気であっても株高となったり、
好景気であっても株安となったりすることがあり、
「不景気の株高」や「好景気の株安」といった言葉があります。
不景気の株高や好景気の株安はどうして起こるのかについてです。

 
不景気の株高とは

 不景気の株高とは、通常は株価が下がると考えられる不景気の局面で
株価が上昇基調となることを意味します。

景気が悪ければ、物が売れなくなり企業の業績を押し下げるため、
理屈では株価は軟調に推移すると考えられます。

 しかし、景気が悪い局面でも株価が上昇することがあるのです。
不景気の株高は中央銀行の金融緩和や政府の経済対策などによって
引き起こされることがあります。


不景気の株高はなぜ起こるのか


 不景気の株高が起こる理由は、金融緩和や経済対策が行われることによって、
あるいは行われるだろうという期待が生まれることによって
将来景気が回復するだろうという思惑が出てくることが挙げられます。

また、株価が下落しすぎていて割安感が出ている時も株価は上がりやすくなっています。


金融緩和や経済対策が行われるから

 不景気になると中央銀行は積極的に金融緩和を行い、
政府は経済対策(景気対策、財政出動)を行います。

中央銀行の金融緩和や政府の経済対策が行われると
景気は回復に向かう可能性が高まるため、
景気の明るい見通しから先回りをして株式を買おうという
動きが強まり株高につながることがあるのです。

 また、実際に金融緩和や経済対策が行われる前でも、
景気が悪くなりすぎるとそろそろ中央銀行や
政府が動くだろうという思惑が働き、株価上昇につながることがあります。

 金融緩和で株価が上がればいわゆる金融相場となりますが、金融緩和によって、
投資家も資金を確保しやすくなり、
金融商品にお金が流れ込むと株高が起きやすくなります。

 
割安感が出ているから

 不景気の時には株価が既に大きく下落していることがありますが
、売られ過ぎによって割安感が出ていることから買いやすくなっていることも
不景気の株高を引き起こす要因になっていると考えられます。

 今までのところ歴史的に見て不景気が終わらなかったことはないため、
不景気はいつか終わると考えられます。

そのため、不景気が終わった後のことを考えると割安なうちに買っておこうという
心理が働き、買いにつながることがあるのです。

 ただし、単に割安だからというだけでは景気の先行きが暗い場合には
一時的な反発になってしまいます。

景気の先行きが明るくなりそうな期待が持てる時に
不景気の株高は起きやすいと言えます。