コミの歴史的考察



                                                   2016年4月25日

                                                   高野圭介

碁のコミとは
コミとは互先のとき、黒が白に与えるハンデのこと。

囲碁は先手の黒が有利なので、普通に対局すれば黒が勝つ可能性が高くなります。
そこでその不公平さをなくすため、白は最後に6目半(中国ルールでは7目半)
(2016年現在)をもらえます。

コミに「半目」がついているのは勝敗を決するためで、
特にその必要がない場合は「半目」をつけない場合がある。
その場合には両者の地が同じになると持碁(じご)と呼ばれ引き分けとなる。

統計上の根拠
「コミ6目半」の、統計学的に一応の根拠。

プロ同士の対戦で、黒番の勝率はコミ5目半時代51%程度でした。
従って、コミを1目増やしたのです。

ちなみに台湾には込み7目半の棋戦もあり、また一人が込みを設定し
その相手が黒白どちらを選ぶか選択するとか、
コミと時間を引き換えにする(時間切れになりそうなときコミを支払って
時間を買う)なんてユニークな試みも一部行われています。

コミの変遷
プロ棋士の手合で試験的にコミが導入されたのが1934年であり、
それ以前は永らくコミは存在していなかった。

また、1934年に導入されたコミは2目半であり、それから順次
4目半、5目半、6目半、と数度にわたる制度改正が行われています。

本来は、黒番と白番の不公平を是正する目的で制定されたコミ制度が、
どうして度々変わるのだろうか。
また、現在の6目半という数は妥当だと言えるのだろうか。

世界の傾向としては、大ゴミといわれる7目半に移行する傾向が強い。

 コミ碁採用の難関
上記、、プロ棋士の手合で試験的にコミが導入されたのが1934年であり、
それ以前は永らくコミは存在していなかった。

この問題を毎日新聞記者・三谷水平が「コミ碁採用の難関」として、
史実を以下のように記述(抜粋)している。

「本因坊戦全集」・・「本因坊戦ものがたり」・・「コミ碁採用の難関」p.182