日展:書入選

                        枝光鮎子 書

                          高野圭介 編



書の部 「枕草子」 1235号

枝光鮎子 神戸市(大阪出身)




 












枕草子 第一段

 冬は、つとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず。
 霜のいと白きも、またさらでも、いと寒きに、火など急ぎ熾して、
炭もて渡るも、いとつきづきし。昼になりて、
ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりて、わろし。

 七日は、雪間の若菜青やかに摘み出でつつ、
例はさしもさる物目近からぬ所に もてさわぎ、
白馬見んとて、里人は車きよげにしたてて見にゆく。
 中の御門の閾ひき入るるほど、頭ども一處にまろびあひて、
指櫛も落ち、用意せねば折れなどして、笑ふもまたをかし。

 左衞門の陣などに、殿上人あまた立ちなどして、
舎人の弓ども取りて、馬ども驚かして笑ふを、
僅に見入れたれば、立蔀などの見ゆるに、
主殿司、女官などの、行きちがひたるこそをかしけれ










第8回 日本美術展覧会 :The Japan Fine Arts Exhibition

                     高野圭介 編

 日展は110年の長きに渡る歴史を刻んできました。

 最初は日本画と西洋画、彫刻の3部制で始まりましたが、
昭和2年の第8回帝展から美術工芸分野を加え、
昭和23年の第4回日展からは書が参加して、
文字通りの総合美術展となったのです。

 昭和33年からは、民間団体として社団法人日展を設立して
第1回日展を開催し、さらに昭和44年に改組が行われました。

 平成24年には、内閣府より公益社団法人への移行認定を受け、
団体名称を「公益社団法人日展」に変更しました。

平成26年には、組織改革に伴って改組 新 第1回日展と改め、
開催することになりました。

 日展東京会場展は、99年間にわたり
東京・上野の東京都美術館で開催してまいりましたが、

日展100年目を迎える節目の年である2007年からは、
東京・六本木に開館した「国立新美術館」に会場を移し、
新たなスタートを切りました。

 東京会場展終了後は、
全国主要都市で巡回展が開かれ、多くの入場者があります。
これだけでも世界に類のないことです。

それだけに、わたくしたち日展作家は、
これからもいっそう日本の現代美術の
健全な発展に大きな責任と、自負を持っていきたいと思います。

注:2022年1月から大阪天王寺で開催されます。