頓智と頓馬

                       2022年3月13日

                       高野圭介 記


 最近、頓馬なことが多くなった。
間が抜けているようなことである。

ところが頓馬を頓智に切り替える。その技も冴えてきた。
つまり、頓智と頓馬が同居しているのである。
その傾向は満90才を迎えて著しい。嗚呼!

 ジムで10時に一番風呂に入ると、
ピチピチルックの若人が入ってきた。
「9時半オープンから30分の間に1000meter泳いできた」と言う。
聞けば32才。若さって凄いな・・・



 そこへ又、若いのが来た。
青二才かと思ったら還暦の61才。私は91才。

皆さまの倍。倍。おお、、、。



20年前の2004年、テニスの話である。



 前略・・・85歳まで筋肉は成長するというから、
70歳代で、なお成長病になっても不思議でないはずで、
その真っ只中にいるようなのだ。

 三木正さんが「テニスは年齢制限があるのと違いますか?」
と聞かれるので、医者に聞けば
「まあ、70歳過ぎてテニスを始めるというのは余り聞かないが、
この調子だと、もっとやっていいでしょう。」と、お墨付きをいただいた。

コーチは「高野さんは90歳までやってやで」とお世辞半分に言う。
 この4月20日に、碁吉会 T&G (テニスと碁)が発足する。

 昨今、その日に備えて、シャラポア(17才)のサービスを真似している。
71歳をひっくり返して、17才に若返って変身だ。
なるほど、巧くなれば、ぐーんと腰が入り、スピードも増しそう。



 先日、杉田明子さんに
「副産物として、ずんぐりむっくりの体型が、
すんなりすなすなと、変わってくるかも」と、
冗談交じりを言ったら、

「出来ないことを言うものじゃないよ、
Seventeen とSeventy とをごっちゃにするなんて、
どうかしてる・・・」

        http://gokichikai.jp/t-syarapoa.html



  



大喜利


 どうも人生の花盛りは80才のような気がしてきた。
人生の完成期である。終末とは同じだが、
終末と言わぬところにご注目。

80才代は何%と少ない。
従って、80才代という歳は貴重な存在。現に、
私の通っているジム:コパンでは男性の90才は私独り。


17才と71才

美容院の話題で盛り上がる17歳、病院の友と盛り上がる71歳。

出来たのはバイクの友達17歳、できたのは俳句の友達71歳


18才と81才

恋に溺れるのが18才、風呂で溺れるのが81才。

道路を爆走するのが18才、逆走するのが81才。

ドキドキが止まらないのが18才、動悸が止まらないのが81才。

恋で胸を詰まらせる18才、餅で喉を詰まらせる81才。

偏差値が気になる18才、血圧血糖値が気になる81才。

まだ何も知らない18才、もう何も覚えていない81才。

自分探しをしてる18才、皆が自分を探している81才。
心がもろいのが18才、骨がもろいのが81才

友達が増えるのが18才、友達が減るのが81才

彼女の名前を覚えた18才、如来の名前を覚えた81才

朝「行ってくる」という18才、朝「生きている」という81才。


19才と91才

若さの春を満喫する19才。木枯らし吹き荒ぶ91才。





シニア川柳



字を忘れ考えてるうち文忘れ。

暖かく迎えてくれるは便座だけ。

通帳に暗証番号書いている。

ピンポーンやっと出たのに不在票。

物忘れ知識を少し捨てただけ。

紙オムツ地位も名誉も吸い取られ。

ルンバさえ超える段差に足取られ。

できますと家族を泣かす認定日。

遺言書すべて妻にと妻が書き。






「老」を詠む俳句撰


 大森尚君と私:高野虚石は神商大同期で、共に卆寿を迎えた。
二人の属している「淡水句会」の俳友の中から、
卆寿を迎えた心境を詠んだ二人の吟句から抜粋した。


耳さへもお飾りにして卆寿かな       虚石

筋トレも弛まず遅々と老の春           

ずっこけて寒空掴む老の坂            

元日や淘汰されつつ九十年            


幾山河越えて卆寿の花に酔ふ         尚

秋惜しむ卆寿の歌ふ学生歌           

われ卆寿恙なけれど歳の暮れ          

雪しまく墜ちよ生きよと安吾吠ゆ        

失いしものの大きさ去年今年          

また一人春風に乗り旅行けり          

二人して歩む花野や仏国土           

    生きていてよかった今年も花を見た     尚 絶句