2002年   ロシア: モスクワ・碁・コングレス参加
「6月22日〜16日間 モスクワとバルト三国」




○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○



 
白夜の碁のみやげ話

                            高野圭介

バルト三国・ロシアの旅はコンパクトで贅沢な感じの二十名の旅行でした。
バルトの国々、リトアニア ・ ラトビア ・ エストニアの三国は
千年の古都がそれぞれそのまま残っているかのように
世界文化遺産として私たちを迎えてくれました。
特にエストニアは最も北にあって、白夜の真っ最中でした。
夜半まで明るく、丑三つの二時ぐらいは夜と言えますが、
素敵な白夜の遠くの花火は、神に贈るプレゼントだったのでしょう。

私たちの囲碁交流はヴィリニュウス、サンクトペテルブルグと
催しましたが、かわいい子供達が強くて驚きでした。
モスクワ碁コングレスの三日間はまさに碁漬けでした。
ロシアにはダイナーシュタインという若者が韓国でプロになって帰っていました。
これを機に、ロシアでは底上げが始まり、
数年もすれば世界の囲碁強国になりそうな気配です。

おかげで楽しく、元気ですばらしい囲碁旅行が出来ましたことを
みやげ話にして、ご報告といたします。

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○ 




モスクワ碁コングレス

2002年7月5日〜6日 於 モスクワ・ベガホテル

モスクワ vs 碁吉会

特撰棋譜 2譜

 7月5日
白番 高野圭介 vs アブロシモフ・ポール

 白中押し勝ち
7月6日 
白番  高野圭介 vs ドゥギン・ティムール

 白中押し勝ち

2006年4月6日   
白 高野圭介 vs ルスタム・サハブディノフ

(後日、来日のロシア棋友)

 白中押し勝ち 




「ロシアにおける碁の現状」

                              武知ハルミ

ロシアの囲碁人口は5万とも8万ともいわれます。
主要な街には囲碁教室があり、専業であるなしにかかわらず
教えることで収入を得ているインストラクターが全国で30人ばかりいて
主に子供達を指導しています。

昭和の初期に囲碁を持ち帰った人と、
その後の3,40年ほどの間に人たちを第一世代とすれば
日本にもお馴染みのラザレフ、バグダノフは第二世代。
韓国で囲碁修業中の今、ヨーロッパ最強といわれるディナーシュタインらは
20代前半の第三世代。
その下の10代前半がそろそろ育ってきて、次の第四世代
を構成するであろう底辺が広く育ってきているところです。
経済的理由やビザ取得が困難で、なかなか外国に行けないロシアで、
日本やアメリカ、ヨーロッパに遠征できることは
子供達の大きな励みになっているようです。

サンクトペテルブルグ、ニシノブゴロド、カザンなど各地で
定期的に囲碁大会が開かれますが、
7月初めのロシア碁コングレスと、9月のLGカップが最大のイベントでしょう。
カレリア地方の湖畔で、夏行われるペテロザボーツク大会も少人数ながら、
自然の中で泳いだり、バーベキュー、サウナとユニークで人気があります。
いずれにしても広いロシアでの移動は鉄道で一晩、時には二晩のこともあり、大変です。

もともと冬が長く、チェスなど室内ゲームで世界的な強さを誇るロシアは
アジア圏外では囲碁では他国を圧倒していると思います。
いつロシアから世界で活躍するプロが出るか楽しみなところです。

ロシアで碁を打つならば、三段ぐらいレベルを落とさないと打てません.
ポイント制で、成績を出さないと段が上がらず、
全体が強くなっているので、年々段は辛くなってきているのです.