攻めてこそ・・戦わずして勝とうという・・・

家田隆二八段  vs  3子 宇田武一

                              宇田武一自戦記

 宇田自評  
プロは変な手は打たないのに地が出来ている。
自分は石をつなぐことを念頭に置いていたが、ケアレスで切れた。
布石の段階でも、もっと攻めるべしとの外野講評があった。
おとなし過ぎたと反省している。

 高野観戦記  
全般に、黒は攻めに行ってない。専守防衛の憲法を遵守している。
その1.黒36右辺を守った。銃後の守りである。
その2.黒50は中を囲いに行った。あくまで大本営に忠実である。


高野評

黒、断然有利!



普通、黒58と中をツイではもう負けは無い碁形。
白は上辺を囲われては足りないと見たのか、白59と自爆傾向。
中央白は2間2間と薄すぎる。きっと強力な切断があったはず。

最後のチャンスは黒76。中へツナがずに、2線に切断して戦う。


高野論

 序盤の定石

 
切りも高い位も、大模様も、攻めるための基本である。
「切って、包み込んで、殲滅させる。」もし、適わずとも、
「万一生かせても、攻めの効果で、打てる。」

この理念は一局の碁の布石から中盤に掛けての定石でしょう。