花を持たせて

                                 堀江 浩自戦記

家田隆二八段 vs 四子 堀江 浩

2006年7月15日 於隆研7月・神戸サロン
160手完 黒中押し勝ち

時たまの成功
久しぶりで家田先生に4子で勝たせていただいた。
多分に運が幸したものと思うがやはり嬉しい。
ただ自分では気付かないのだが、
本手からはずれた打ち方が多くてそれが
時たま成功しただけのことと自戒している。

黒8の幸運
序盤の白7に対しては黒8はボーシにケウマの諺どおり、
36の点にとぶのが普通という。
私は8から10へと強引に白の間に割り込んだがその結果、
下辺の白15から51までの7子を取り込めたのは幸運であった。


黒75の失態
ただこの死んだはずの白が右下隅に逃げて出るのを
怖れて左辺の攻防の最中に72と打って
とりきったのは大失態だった。

白は逃げられないし、仮に成功してもセキだった。
この手でそれまでのせっかくの優位が
消滅したかもしれなかった。

102は悪手
次に黒102は悪手だ。右下の黒はイキているので、
今更それを少しばかり拡げるより、
101の2路上に打って右上の方面の模様の形成を図るべきだ
(これは高野先生の評)。



妙手

黒120


こんな碁でも家田先生に妙手として褒められた手が2箇所ある。

そのひとつは120のキリで、白は121がはぶけず、
黒は122がほぼ先手で打てて左上隅の死活に余裕ができたこと、

私自身はそれほど自慢の1手とは思わなかったが、
絶賛してくださって嬉しかった。

 

妙手

黒143

もうひとつは右上の死活で、
黒は144の手で145の点にでて白を追うのが普通らしいが、

私は紛れを避けて、143の単トリで満足した。

花を持たせて
この碁は最後は白の投了となったが、
もう少しねばられたらどうだったか。

家田先生は褒めた手前、
おそらく黒に花を持たせてくださったのだろう。

ほんとうにありがとうございました。