三次元の思考


                                        堀江 浩自戦記

家田隆二 vs 二子 堀江 浩

2006年9月16日 於 隆研9月
173手完  白中押し勝ち



いつも思うのだが、死活のヨミだけでなく、
死石でも活きた石以上に働かせることができる。
いわば2次元のヨミである。

更にそれを見越して、相手の石をおびき寄せ、
絡み攻めに使えたら、3次元の思考ということになろうか。

この碁はそれを実感させられた。  以下はその報告である。

評は高野先生の発言が殆どで、家田先生はすべて肯定されている。

首尾一貫
していない

序盤で右上隅の黒40のキリは41だったか、と反省したが、
黒40にキッてしまったら、黒42は47に打たないと首尾一貫していない。

先手で壁を
右下の黒14.16.18.の一団が取られた後、
適当な時期(黒72)で、17の上にツケコシて、この死石をおまく利用し、
外側に先手で壁をつくるべきだった。

この先手を、下辺の78あたりに打てば、下辺から中央に黒の大模様が完成し、
これなら家田先生でも容易には侵略できなかったと思う。


大石楽活き
白75ツケ以下は黒地を欲しいままに蹂躙した。
そればかりか左下辺の黒を攻め取って碁は終わった。
たとえ、宏大な黒地の中でも、白の石はなかなか取れない。
いや、白も大石なればこそ、白の活きは楽活きというのだろう。

これからあとは打ってみただけで黒に成算はなかった。

まだ希望が
最後のチャンス・黒130で133に打って活きを謀るべきで、
これなら白も中央に浮石があるし、
黒にもまだ希望がもてた。
攻め合いのは慎重にヨミきらねばだめだ。


キカシとヨミが
肝要

まだほかにもミスはいくらでもあるが、
キカシとヨミが肝要だということを痛感した。