無理やり仕掛けは自滅の元

                                   堀江 浩 自戦記

家田隆二八段 vs 四子 堀江 浩

2007年1月20日 於隆研・神戸サロン
140手完 黒中押し勝ち




この碁は信じられないことだが白に手数の見落しがあったのか、
序盤で黒が優勢になり、そのまま何も起こらず終わった。
黒にとっては幸運な碁であった。



まず、黒40で下辺の白が死んだ。白はからくもコウに持ち込んだが、序盤でコウ材がなかった。
更に中央の攻防で白7子が死んで、大勢が決した。黒134で白の投了となった。

@強引過ぎ?
局後、家田先生から次の2点について、指導があった。

@黒14.16は強引すぎる。
結果は成功したが、だからといって好手とは言えない。
4の石は捨てて、40あたりからキカスのが正着である。
なるほど石の流れからいって、その方が格調が高い。

 
A碁を難しく

A次に黒51は自ら本コウにして碁を難かしくした。
コウ材として75のに打ち、それから51をトル手順が簡明であった。



高野の眼

少々の打ち過ぎは許されて良いと思う。
堀江さんらしい碁は誰も出来ないような力強さに満ちている。

お公家さんのような格調は角を矯めて牛を殺すの例えの通り、
下手をすると、荒武者・堀江イズムの衰退を招かないか、怖れる。

序盤、白61まで、黒は強引かも知れないが、最強で、
白はほとほとするほど、高度な技術で応戦している。
堀江さんならでの、素晴らしさ!

それより、黒68・98・100の三着が
オイシイものの出てこないところで、ご馳走を待っているような、
無為というか、希望のない思想に包まれて、
悪源太・堀江イズムが退化している。

その辺りを再考すべきではないか?


 
顧みて私の碁は全体を見ず、直ぐに部分的な戦いに入る。
置き碁のときは初めから厚みがあるからよいが、互い先では無理な仕掛けは必ずほころびる。

相手のミスは相手が悪いのだが、それを期待して打つのは品がない。
格調高く心したいものである。