怪我の功名

                                             堀江浩自戦記

家田隆二八段 vs 四子 堀江浩

2007年5月19日 於隆研・神戸サロン
162手完  黒中押勝ち


「怪我の功名」
この碁は黒が一合升の死活で失敗したのに、
反ってそれが幸いして勝ちを拾わせてもらった。

家田先生の打ち方は私には初めてで、どう対応したらよかったのか。
この自戦記もそれを中心に書いてみる。

「車の後押し」
災いは右辺で白を第4線を7本も這わせたことから始まった。
先生は黒10のツケに首を捻っておられたが、
ここは白の7と9のハザマをつくのが良かったかもしれない。

また黒16で車の後押しを止めて、白7の左上の点にカケることも考えたが、
あとの変化に自信がなかった。また黒34 もひどい。

「一合升の戦い」  
普通一合升は外側のダメが全部詰まってからと思っていたので白69には驚いた。

黒70に対して白71が75の点だったら外ダメの関係で無条件イキのはずであったのだが、
先生の71にはどう対応したらよかったのか、
74を75の点に打ってコウにすることもできたのに、
勘違いで結局無条件で死んでしまった。ところがここから奇跡が起こった。

それから先は棋譜の通り、われながら間違わずによく打てた。
何だか自分の碁でないみたい。これだから碁は止められない。

これも先生の誘導の賜物であることは間違いない。ありがとうございました。