急所の構想力が問題だった

                                  井上泰子 自戦記
                            評 家田隆二先生


家田隆二八段 vs 五子 井上泰子

2006年2月18日   於 神戸サロン

195手完 黒中押し勝ち


白の無理筋を
とがめ損なった


初めから、
岩見重太郎の牢破りのようなことが起きました。
なんとか、黒54までは来たのですが、
両手を括られたままの脱出劇です。

白の19.21は
元々白の無理なカケの手法だったので、
黒54で、55に切れば一巻の終わりだったとか、
黒58で、82からシボッて、終わりだったとか、
打っている間に、聞きたかった・・・!

とはいえ、相当巧く事を運んで、
白は馬脚を現していたのに、
黒54の一着が
残念ながら、とがめ損なっている。

形に難点あり
黒40とか、黒130など、同じく形が悪いと、矯正された。

最重要点
この碁の急所は黒128であった。
黒の右上、スケールの大きい地模様の纏め方です。
白127に対して、128と、中から押さえたが、
本来、外の129と、大きく取りに行かなければならない。
負ければ敗着になった。
勝敗に関する、本局の最重要課題となった。

天にも昇れ
最後に、黒194のコウを発見したときの、天にも昇る心地!

激しい戦いの碁
お陰様で、このような激しい戦いの碁が
打てるようになったことに感謝!