取り辺堅く打つべし

白  山口 完   vs  定先 東屋 弘


     2015年1月12日  於 風鈴会道場

258手完 黒中押し勝ち

                                 高野圭介 評


山口さんは碁楽会の幹事長。東屋さんは碁吉会の幹事長。
共に会の中枢部にあって、社会生活も加味すれは、超多忙の両人でもある。

山口さんは木谷実の孫弟子に当たり、学生時代からの年期からして、本格派。
東屋さんは「囲碁新手法」吉本瑞穂著の思想に共鳴し、独自の囲碁観を樹立す。

本格派と実戦派で、鮮やか理論が制覇するか、腕に覚えの実戦派に凱歌か。
本局の推移について、私には興味津々であった。

 


くんずほぐれつの大熱戦! 波瀾万丈とはこのことか。


  

前夜祭の参加者4名はペア碁を楽しんだ。


立ち上がり黒11ヒキがやや重く、前途多難を感じたが、
案に相違せず、白14急襲は厳しい。

50手までの序盤は丁々発止と小気味よい戦いが続く。
ただ、下辺の白のキリ味の薄味がどうなるか?
100手まで、下辺はゴッソリ白のものとなったが、が、右辺は黒が誇っている。


中盤、白138手まで、巧妙に中央を制し、 盤石の勝勢となった。
しかし、黒も巧妙に右辺を黒地に治めた。

白188はいったい何だろう?節句の一手なら、種石をポン抜いてておくのがか。
なんだか訳の分からぬうちに、左辺の白が頓死し、下辺もおかしくなった。

「取り辺堅く打つべし」の格言は本局に生きていた。