新風節特撰碁

白  高野圭介8d   vs  三子 田中はる2k・川口隆司1d

55手以下略   白中押し勝ち

                               高野圭介 自戦記





田中はるさんは理論家である。
前に、家田隆二プロの指導碁の後、家田先生が舌を巻いた。
「はるさんは難しいことをいっぱい知ってますね。
実戦で、これを生かす方法は無いものでしょうかね」と。

川口さんはヨミの力が抜群。ヨンで、解析出来るのだが、
何をどうヨムか?については未知数で、私にも未知の世界だ。
本局でも、ペアの両者がちとチグハグな進行にお互い戸惑った感がある。


13路盤子局・・・とてつもない難局である。
如何に棋力の差があると雖も、棋理に則った碁で無ければ白は打ち切れない。
常に受け身のまま、一手ずつ追いついていくという手法しかない。

本局は二つの転機があった。 一つは白7・黒8。二つは白29・黒30
それ以外、問題の手は殆ど無い。それでも急所で、黒が自滅したまでのこと。


参考図第1図 白7・黒8。

白7は普通はオサエる。当然、白模様も立派になるが、
囲った黒一子は獅子心中の虫として取り切れていない。

ここで、変化図だが

いきおいハネダシたが、碁は断にありと、ここはキリの一手。
以下後続の変化の一つです。黒は依然として優勢のまま。



 
参考図第2図 白29・黒30

白はキカシとして、隅を29とハネた。これが無謀。
すかさず、二線に黒30と置けば、白は一眼も無く、敗勢となる。


手筋の問題だった。




本譜の進行

黒30手まで、問題の手らしいものは上記の二着のみ。
白も甚大な失着があったにもかかわらず
いつの間にかおかしくなってしまった。