新風節特撰碁

井原嗣治 7段  vs  二子 吉田 健 5段


130手以下略  白12目勝ち

                               高野圭介 記





爽やかな人同士の対戦である。

初め、名前の無い棋譜を前にして、並べ掛けたが、どこか気品が漂うている。
強いお二人が誰だか分からず、どなたの碁か、想像していた。

頭を付き合わせて八人の対戦だが、自分の盤面に没入していて、
隣は無人の境であっったに相違ない。


高野評

左辺白23はアキ三の急所を突いて、キリで戦う。

黒52カケツギは用心のし過ぎで。79に引いて戦う。
いきおい中の競り合いになるが、戦って、黒は優位を導く。

黒100も用心のし過ぎで、黒98で、上辺をコウに持ち込むと・・・

右上隅、白105は単なるヨセ。

黒112の貴重な先手は下辺109の右に打ち込んでえぐる。
下辺の白を徹底破壊で、追いつく唯一のチャンスだった。


形勢は白優勢の局面だが、

ここから先は充実した気合いで、先手ヨセが優先していくと、
まだまだどちらに転ぶか分からない。神のみぞ知る。


例えば、上辺は黒からアタリの後、ワタリが残っている。
他に大ヨセがいっぱいで、どう変化するか。ヨセ勝負だった。