石飛の熊手・トンボの複眼


                                           2016年2月13日

                                            高野圭介


アメーバー
のような人



ジムの風呂で、アメーバーのような人の背中を見ていた。

右手左手、指の熊手が自分の背中を上から下から満遍なく撫で回して洗うのだ。
想像はしていたが、目の前でまじまじと見たのは初めて。

      

因みに、その人は足の指ででもジャンケンが出来る。
私は、グーとチーだけで、パーは出来ない。その差は決定的だ。



その人の名は石飛肇。


フライパン
の背中


自分でやってみて、両手ともアメーバーではなく、
アヘアへバーとカチンボで届かず、喘いでいる。
まるでフライパンの背中に遠くから旗立てて声援を送っているようだ。



可動域の障害
こんな状態は関節可動域の障害で「拘縮」というのだそうだ。

長期の関節とその支持組織の緊張状態は可動域を自然に狭めてしまっている。
関節を伸張させ、関節の周囲の組織、筋肉などを柔軟にするための
適切な訓練法が必要である。

とはいえ、
完全に拘縮した筋はいくら伸ばそうとしてもちぎれてしまうだけでどうにもならない。

拘縮に挑戦
先だって来、理屈抜きで、石飛先生の指示に従って拘縮に挑戦している。



指先を1㎝2㎝と伸ばして引っ張る。しかも整体でモミモミの側面支援付き。
旬日を経て可動域の拡大を感じているが、また、すぐ元に戻っている。
それを繰り返しながら、倦まず弛ますの挑戦中である。

テニスコート
昨日、久しぶりの春めいた暖冬で、テニスコートに立った。

違う!違う!球筋が前となら違ってきた。スピードの違いも大きい。
もっと違ったのはしなやかなストロークで方向が確かなのだ。



腰肩の可動範囲が広がった柔軟性、体幹の筋金入りやら
身体中が2~3割方緩やかな感じを受けていた程度なのに、
テニスをして、この素晴らしい異変を体験した。


石飛の熊手


トンボの複眼



話は飛ぶ。

自分の碁の拘縮に思いを馳せた。

プロのユニバーシャルジョイントのような広域可動域に比べて、
自分の奥の細道のような狭隘街道で桶狭間の再現の憂き身を思うと情けない。




せめて、石飛の熊手・トンボの複眼で
盤面を俯瞰しながら撫で回してみたいものだ