オリンピックの創始者ヘラクレス



                                        2015年12月21日

                                           高野圭介

復讐に戦勝
ヘラクレスには十二の功業がある。

十二の功業中にエーリス王アウゲイアースに報酬を踏み倒されたことの復讐として、
後にヘーラクレースはエーリスに攻め入った。

エーリス軍にはモリオネという双子(一説には結合双生児)の英雄がおり、
彼らはポセイドーンの息子でカリュドーンの猪狩りに
参加するほど武勇に優れ、怪力も有していた。


双子であるが故に二対一の戦いとなり、剛勇無双の
ヘーラクレースといえども苦戦を強いられた。

攻防戦の最中にヘーラクレースは病にかかり、休戦協定を結んだが、
モリオネはそれを破って攻撃を止めず、
ヘーラクレースは撤退せざるを得なくなった。

その後、ヘーラクレースはモリオネがイストミア大祭に参加するという
報せを聞き、その道中に待ち伏せしてモリオネを毒矢で射殺した。

古代オリンピック
ヘーラクレースは強力な英雄を失ったエーリスを攻略し、
この勝利を記念してオリュンピアゼウス神殿を建て、
その地で競技会を行った。それが
「オリンピア祭典競技」、いわゆる古代オリンピックです。

以後、この競技会は4年に1度開催されるようになり、
やがて古代オリンピックになった。


子孫も活躍


後世の古代オリンピックではヘーラクレースの末裔と信じられた
テオゲネスが華々しい結果を残した。

テオゲネスは記録に残っているだけでもボクシングなどの種目で1300戦
全勝し、古代オリンピックだけではなくあらゆる競技会で優勝を繰り返し、
生涯無敗であった。ちなみに、
この人物は神話上の存在ではなく実在した人物である。

近代オリンピック
古代ギリシアオリンピアの祭典をもとにして、世界的なスポーツ大会を
開催する事をフランスクーベルタン男爵19世紀末の
ソルボンヌ大
における会議で提唱、決議された。



「オリンピック」は、ゼウスの神殿のあったオリンポス(オリンピア)の名前を
冠しており、この地で古代オリンピックが開催されたことから命名された。
戦前は「オリムピック」という表記であった。