愚形の好手で優勢に

互先  何 香濤  vs  先番  井上泰子
               黒7.5目コミ出し

85手以下略 黒中押し勝ち

                      井上泰子自戦記



何香濤先生
からの
メッセージ




有り難う
 この碁は
とても
いいですね」

何香濤



 



対局後、何先生が棋譜用紙にサインしてくださった。
大切な思い出の一局となった。

 


泰子感想
第4局目。昨年乙組優勝者の何香涛先生と対局。

右辺から切り離れた中央の白石の攻めをみながら打ち進めた。
互いに時間を十分に使い、大石に絡むコウ争いになっていた時、
審判の方が3分ずつに設定した新たな対局時計を持ってこられた。
気がつかなかったが、何やら時計に不備があったようで、
切れることなく残り
5分に戻り延々と続いている状態であったようだ。

短いタイムを意識しながらコウ争いが続き、白番でコウを
解消された時、黒がよくないことをはっきりと意識した。
その後数手で黒の時間切れ。白残り17秒。
結果は負けだが、この局に集中して一生懸命に
打つことができたことをうれしく思う。

 
高野評




愚形の好手

ハイセンス



黒29手まで快調の進行である。一切問題なし。
右辺の攻防が本局の見せ場だった。
黒39キリは強烈!そして、黒43のヒンマガリ。
黒43こそプロの盲点ともなろう、泰子さんの発想。
まさに「愚形の好手」とも言うべき。


黒は右辺白5子を捕獲し,大戦果である。
何先生もさすがの強襲に驚かれたに相違ない。


黒83.85の2連打は又々、ハイセンス・泰子の新骨頂。

ここから譜には無いが、懸命に中の白を攻めたくった。
そして攻めあぐんだ。つまり、アマされたのである。

ともあれ、10数人の観衆を釘付けにしての大奮闘は
特筆すべき一局となった。