フィニッシュからの基礎づくり 高野圭介 一局の碁が終わった。検討が始まる。 最初から置き直しだ。たいしたもので、第一着から狂わずに再現されてゆく。 そして「これしかない!」という図に結論づけられて、皆が納得してゆく。 それがアマチュア高段者の芸だ。 プロはちょっと違う。 最終局面から、決定的場面まで、即座に石がはがされ、たちまちの内にいくつかの図が作られて、 黙々と崩したり作ったり、延々と続く。 やがて、更に、前の岐路になった部分まで、さっと石が剥がされて、 同様のことが、機械的ではないが機械的に繰り返される。 アマとプロは局後の検討の仕方がまるっきり違うのである。
2000年8月にゴルフを再開した。以降5年間、毎朝クラブの素振りで 所定の目標は達成できたように思う。 昨今、テニスを再開した。 気がついたら、もう5ヶ月も経っている。 5年も経ったら、お稽古から脱却しなければならないが、その時、 自分がどのようなテニスになっているか?大いに疑問である。 今、テニスの目標はただ一つ。 年齢からして、もう巧い下手を問う段階ではない。 それなりに基礎がしっかり身に付いたかを問おうと思っている。 「ボールを打った直後の、フィニッシュが崩れないで 大きなテニスの打ち方」に徹しているか」だ。 つまり、一つのストロークのフィニッシュから遡って、フットワークから 腕、腰の納得できる動きであれば、満足したい、というテニスを目指している。 一つ一つの基礎さえしっかり出来てくれば、 量が質を規定するが如く、コートを飛び回る姿が 自分なりに「華麗な」姿に転換してゆくはずだからである。 |