雨のテニスコート


                        高野圭介

 昔、と言っても、もう30年も前のこと、サンフランシスコでホームスティをしていたとき、
 碁友・Chris Pishel の父、Jeen Pishel が夕飯をご馳走しようと、言ってくれた。
彼はロッキードの人工衛星打ち上げの責任者であった。
自宅に行ったら、壁にはピストルが何丁か並んでいた。
中の2丁に、赤のラベルで、Loaded というのがあった。実弾込めということだった。
コンピューター・ゲームというのもやった。ババ抜きのようだった。

 彼のジャガーで、どこかの飛行場へ行って
彼の操縦するセスナで、夕食を食べに飛んだ。

 帰りの空中はもう真っ暗で、セスナは空中をスケート滑走して飛ぶのだが、
左右に大きくぶれる。お尻の下が落ちつかず、ほろ寒い。
下界も真っ暗。所々にライトアップした灯りが見える。
聞けば、アメフト・プール・テニスコートの3つの施設だった。
何と、アメリカでは夜、テニスを楽しんでいたのだ。

 最近、テニスを再開し、テニスコートに関心を持ち始めた。

ウィンブルドンのローンコートを初め、
昔からあるアンツーカーコート、ハードコート(コンクリートかな?)、
人工芝のコート(やはり、コンクリートの上かな)などかと思っていたら、
須磨の浜にはオイルサンド・クレーコートなるものがあって、
それは粘土の上に、砂で作るのだという。
雨には極端に弱いと聞いた。

 テニスはかんかん照りの太陽もかなわんが、雨にはもっと弱い。
 
 それこそ昔、中学生の頃、軟式テニスだったが、雨の中で、
ボールがベチャぶしゅぶしゅとしぶきを上げながら飛んだりしていたっけ。
その後、ラケットのガットが羊の腸とかで作られていたから、
ぼんぼんに膨れあがったりして。懐かしい思い出だ。


 昨今は雨にはとても強くなったが、雨中テニスはやはりどうもね

 今日4月20日はT&Gの初日で、碁吉会テニスの初手合いだった。
だった・・というのも、
天気予報が降雨率 6〜12は50%、12〜18は90%と報じていた。
コートの予約を自分がしたからには、世話人というのだろう。

「90%というのはじゃじゃ降りやで」と、判断して、前夜にメールで皆さまに中止の案内をした。

 「オハヨウございます。今朝、6:00前から雨の音が聞こえてきました。
せっかくテニスを中止したからには、確かに降ってもらわにゃ・・・嬉しいな。
 それから、
テニスのハンディはいったいどうするのだろう?など、思っていました。
1点とか2点とかのハンディを貰ってするのが常識だとは聞いた。
でも、自分のコートが自動的にハンディだけ狭くなったり、
ラケットや足に重りを付けたり、ベルトに鉛を張ったり、
他に何か良い方法は無いかな?なども。
さあ
 予備の27日はいよいよ楽しみです。
ビギナーをよろしく可愛がって下さい。」


 これが実はとんだ勇み足で、テニスは当日の朝、集合して現場で決めるのだそうで、
しあわせの村へ電話で話してもコートは当日キャンセルは効かないと言うし、
独り悶々としていた。

さんざん文句も言った。
「滋賀、川西、高槻のあたりの方に、来るだけは来い。
雨は必至だろうが、雨になったら、中止だよ。などと、言えるのか?!」

 それでも、
良くしたもので、11:00開始の1時間前、10:00に電話が掛かって、
「雨が降りかけたから中止します」と言ってきたので、
こうなれば、やれやれ。雨に感謝!
でも今後の課題を貰った。