淡水句会

2020年4月16日(木)



高野虚石:吟詠俳句集





月例 淡水句会


                                  高野圭介




今回は思いも掛けず、コロナウィルスパンデミックの最中句会となりました。
従って、多くの欠席者が出て句会の体をなさないことが判明しました。



それで今回においてはメール乃至ファックス
で進めたいと思います。






 内観俳句論

高野圭介提唱


当日の特選作


中杉 特選


花筏いきどころなくたむろせり   藤田公昭


水に散り敷いた落花が連なって筏のように見えるところから、近年、「花筏」を
「花」という季題の傍題として好んで用いられるようになっている。  とはいえ
「花筏」は季題としては採用されていないところもあって、未熟な季題とも言えよう。

そもそも季題というものは「万緑」という季題の示す如く、優れた例句によって、
その情感が醸成されていくものであって、一つの生命体のようなものと理解している。



この句は、落花が散り敷き筏のように連なって密集しているさまを
「いきどころなくたむろしている」と詠嘆したものである。
その押し犇めく圧迫感から都会に生きる人間の息苦しさのようなものまで
感じさせる力がある。そのような現代感覚で、「花筏」という新季題を捉えた
良き一例として、ここに特撰として取り上げた次第である。

                                中杉隆世 記


中杉入選




独り居を美徳と決めて永き日を     高野虚石


中杉佳作
 
 


種下ろし AI 哲理碁を変へる      高野虚石


中杉佳作




のどけしや菜根譚を閉じしまま     高野虚石


平岡特撰  
心せよ春の風邪には非ざりし      中杉隆世

中杉秀句
ショパンよしリストまたよし春の宵   平岡良一