六甲山の3人組レスキュー隊

2010年12月19日

                                                  高野圭介




 沢を歩いて六甲山系へ登った。
太極拳の靖子先生と二人のパーティである。
須磨離宮の東の沢から馬の背へ、じわじわと歩く。

途中、むらむらと西側の尾根に向かって、登ることにした。

滑りやすい急坂は、手と足が問題だ。
足場を固め、しっかりしたものを掴みながら登るのだが、

急坂で、掴むものがない。ずるずる・・・と、這いつくばうように登る。

ええ加減登ったとき、「これどこへ行くんだろう?」
「上までいけば、どこかへ行くで、まあ、ゆっくり行こう」

    
   

魚住の飯島豊子さんのグループで、技術とと言い、胆力と言い、パフォーマンスの能力と言い、凄い!

山のレスキュー隊
その時、下から声が掛かる。

「そこは道もないから、危ないよぅ、助けに行くから動かないでぇ」と。
そんなことを言ったって、上へも下へも身動きならないのだ。

これ以上説明も出来ない。

二人の女性が登ってきて・・・1人に1人が付いて・・・
まさしく山のレスキュー隊。あの急坂を助け出された。

要領は、下のしっかりした木の方向に、向かって降りる。
登るとき見えなかったのに、指摘されたら、木の根っことか、
細くとも、根のしっかりある草、蔓を掘り起こすようにして掴む。
そういう指示がテキパキ跳んでくる。


か弱い女性が、こんな事がどうして出来るんだろう? 


右は極楽、左は地獄

 喝破した榊 莫山

 
馬の背に着く。
危機の去った後は、清々しく楽しいものだ。

北側が谷底へ直行する急峻に立ったとき、ふと思った。

「右は極楽、左は地獄へ落ちる尾根を歩くような
緊張感のようなものが大切なんだ。」と、喝破した 榊 莫山。

そして、
「花あるときは花に酔い 風あるときは風に酔う」とも。


 

「むべ」なる果実

馬の背に陣取りして、お弁当を開いた。

食後の果物に「むべ」なる果実を戴いた。

帰って調べると、トキワアケビとも言い、
不老長寿の果実とある。初めてだった。



帰路は妙法寺へ。
道すがら、靖子先生から面白いことを聞いた。

「介護に来ている人達の共通点は
1.拝金主義のような、お金第一と思っている人。
2.笑いを忘れた人。無表情になる。
3.人との交わりの無い人。
これに尽きます。」

「私はどうも介護とは関係ないかな?」と言ったら、
「だれが、どこどで、どうなるか、分からんよ」とうそぶかれた。