才媛・陽子の百面相



                                             高野圭介

 八面六臂の活躍  
 碁吉会創立20周年イベントで、
初めて知った湯浅陽子さんの才能に特異な関心を持った。

 実行委員長・榎本 滋さんを支えて、パンフレットに関わってのお仕事に始まって、
諸々の八面六臂の活躍をされていたように聞いた。

碁でも、榎本さんと握りの手合いで、良い勝負と聞いていた。

光る才能   
20周年の席上、私は7子で対局した。棋譜は無い。

ビシビシ打たれて、あわやという場面が続き、
白が凌ぎきったとき、勝負があった。

女性特有のやわやわした、なあなあの碁ではなくて、筋・形に明るく、
鋭い感覚で、切って貼ってというスザマシイ碁である。

私はキラリと光る才能を見た。

 將碁友の会  
 陽子さんは年明けて、2011年の將碁友の会へ入会、
碁吉会のリーグ戦に加入した。
ただ今、Gリーグ、Eリーグ、Pリーグんに参戦している。

SGFファイルで送られてくる棋譜を見ると、気合い良く、まさしく千変万化、
百面相の棋譜で、勝敗なんぞ問題なく、面白いのを通り越している。


 百面相の碁  
百面相と言えば、Many Faces of Go という碁の対局ソフトがある。
アメリカの David Fotlandという人の作品で、世界コンピュータチェス選手権•
コンピュータオリンピック•ヨーロッパコンピュータチェス選手権
世界マイクロコンピュータチェス選手権•など参戦の常連である。

日本語では「百面相の碁」とでも訳すのだろう。




キラッと光る才能




光る才能とは(一般論)


 1.物怖じしないで、、自分の打ちたいところに打っている。

 
2.石の生き死に勘が働き、鋭い筋、良い形に石が動いて行く。



3.敵の石を切って打つ。ここは切るところと石が飛んで、、戦う。

 
4.下に籠もって攻められる石は作らず、活きるぐらいなら捨てる。


5.
出来不出来の差が激しいが、それは出来の良い方で評価される。

(注:不出来は無視し、出来の良いところだけが評価の基準で、
これは学業の成績の評価にも当てはまる一つの物差しである。)



陽子さんの棋譜






才媛・陽子さんの百面相棋譜をご覧戴こう。


 対局相手


 手合い


 結末(陽子から)

     

榎本 滋

互先 白番 陽子 中押し負け

原田芳宏

互先 白番 陽子 中押し負け
 
橋口一誠

2子 陽子 20目コミ貰い・15.5目勝ち 
  
下村善国

3子 陽子 中押し勝ち
 
武田 康

4子 陽子 中押し勝ち
 
信永恕平

5子 陽子  中押し勝ち

中園清三

5子 陽子  1目勝ち

池田 貴

6子 陽子 中押し負け
 
勝見法正

7子 陽子  中押し負け

下村善国

8子 陽子 中押し勝ち


高野圭介



湯浅陽子


こういった、百面相の碁の本当の姿を知りたくて、私は向こう先で一局打った。

案の定、一手、二手首を傾げるのもあったが、問題ない。
大石のポカさえ無ければ、10目程度の差であったろうか。

「これが3段の碁か?」という出来映え。

高野圭介   先  湯浅陽子   黒中押し負け


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ダッチロール・陽子


その昔「石立は相手によって打ち替えろ」という名人の名言があったが、
陽子さんはどのような相手にも、それ相応の石立で応じている。

どれが本当の陽子さんか分からぬぐらい、全く不安定。
ダッチロール・陽子・・・・・だから面白い。

いずれ遠くない将来、大いに成長して
陽子さんの棋力がとんでもない変化した様相を
見せてくれそうな予感にわくわくしている。