白黒の世界に遊んで」 

   奈良市  岡 公子

  子育てにある程度のメドが立った頃から、
私は年をとってもずーっと楽しめるものを探していました。
たまたま地元の公民館で、初心者向けの囲碁講座があって
「初心者歓迎」の看板に惹かれて飛び込みました。

  そこで「オセロと違って、石は交差点に置くこと」と、
置き方から教わりました。
        一緒に入った女性三人が次々やめていく中で、
紅一点となった私は友達も欲しくて
    日本棋院の婦人教室に入ったりして勉強しました。

更なる広がりは奈良県の女性の集まりである
「采美会」に入れて頂いたことです。
    皆さんはとても強くて、三,四段の方はザラにいらしゃいますが、
ちっともえらそうにせず、親しく相手をしてくれ、
碁を打つ機会はだんだん多くなりました。

        お陰で、全国大会にも参加できるようになりました。
     会社の囲碁同好会など、男性のグループからのお呼びがかかり、
その模様を人に説明すると、口の悪い友人は
「男性といってもお年寄りでは」と言いますが、
        ちょっとした人生の機微に触れることも言われ、
自分の研鑽と、感謝しています。

     また碁吉会という全国規模の碁の会にも入っています。
  この会には憲章があって「我々はそれぞれ
囲碁観を持っており、それは侵されない」
        という理念に支えられているのです。禁煙、椅子席で、
結構女性上位のユニークな会なのです。
         碁は奥域は深いのですが、ルールそのものは以外と簡単ですので、
        一人でも多く碁を楽しむ仲間が増えるのが私の夢です。