百人一局

                                2015年8月25日

                                 高野圭介

 千日回峰
比叡山廷暦寺の「千日回峰行」は荒行中の荒行とされていますが、
千日といっても連続して3年間という意味ではなく、
7年間をかけて通算一千日の間行なわれます。



その後、九日間の「断食、断水、不眠、不臥の行」に入ります。
通常、人間が断食・断水状態で生きられる生理的限界は三日間と
されていることを考えれば、信じがたいほどの苦行といえるでしょう。

 百人一局


今回、生涯の百人一局を発起しました。

勝敗を超えて魂と魂が盤上に具現する石の営みを、
記念すべき第1局で開始します。



盤を挟んで対峙する二人の人間の影がそこに交錯して尽きない興趣を醸し出す。

観る者と観られる者と。私が相手を見、また、相手が私を観る。
それはどちらかといえば、一方向の流れだが、碁の面白いところは、
この一方向の流れがいつの間にか双方向の交流に変化してしまうところだ。

あたかも盤上に立てかけられた鏡に向かって石を下ろすように、
相手と見えた姿は実は己の姿に他ならなかったというわけである。

             牧 冬彦  「すざら碁仙」・・「碁の楽しみ」p.376より


 「If」という詩
テニスの聖地ウィンブルドン。
センター・コートに入る選手が開く扉の上に、
英国の詩人キップリングの「If」という詩の一節が掲げられています。



"If you can meet with triumph and disaster
And treat those two imposters just the same"


もしあなたが栄光と挫折に出逢い、その二つを同じように扱えるなら、
あなたはすばらしいプレーヤーになれるでしょう。



    

今、高川秀格が好んで書かれた「流水不先争」の言葉が去来します。
叶わないまでも、鋭意邁進したいと思っています。

百人一譜 (ここに記載)