高野圭介 百人一譜

      
 

鋭いヨミの黒

詰碁名人の鋭いヨミ筋は碁吉会の盟友

白番 高野圭介 vs  定先  井原嗣治

シーパル須磨碁吉会25周年記念碁会    201510月21日(水

232手以下略      白中押し勝ち

                                     自戦記   高野圭介




身内の碁友
井原嗣治さんはふるさと宍粟市の盟友で、お付き合いは40年も50年にも
なろうというもので、白黒の糸で結ばれたツーカーの仲である。

井原さんの親族の阿曾さんに私の従兄弟と縁組みして、身内となっている。
今では唯一の幼馴染みの碁友とも言うべき人である。

25年間皆勤
碁吉会発足して25年。

この間、井原さんは絶対真似の出来ない碁吉会皆勤を記録された。
一口に皆勤と言っても、25年間、葬式があろうが、体調を崩そうが、
如何に遠方だろうと、営々と足を運んでこられた。

ただただ驚異に値する記録である。

おもしろ詰碁  
井原さんと私の共通点は早寝早起きである。
今も、電話連絡は朝5時と決まっている。間違いなく捉まる。

井原さんは詰碁作りに丸三年間せっせと詰碁に精出した。
早朝5時から6時まで毎朝、一時間にだいたい七題の詰碁作り。
だから、年2500題。3年で最低6000題の成果を挙げた。

彼はそれを「おもしろ詰碁」と名付けて親しんでおられた。

したがって、彼は死活には滅法強い。

落ち着いた佳手  
上辺黒49ハイコミはキリを狙っていた。そうとは知らず、57キリに参った。
後手活きで後れを取ってしまった。

左下隅白108からえぐって地合の均衡を保ったが、黒129から巧みに
模様を荒らされ、200手辺りでは感触としては不明の局面。

白204オキが問題で、1目トリの一手だったのに・・・

譜の232手の後、左下黒の大石にダメヅマリの問題が生じて幕。

流石の黒57キリから白は辛抱の碁であった。