高野圭介 百人一譜

      
 

怪しげに妖しげに

怪しげに妖しげに妖怪出没という人間の業が滲み出た譜となった。

白番 高野圭介 vs  先番 天谷敬一
               3.5目黒コミ貰い

                記録  川口隆司

コーストタワー最上階サロン    2015922日(火・国民の休日

175手完    白中押し勝ち



                                    自戦記   高野圭介



超高層の碁会


高野さんとのこと




天谷敬一


 
2015922日(火・国民の休日)に須磨浜を訪れた。
超高層マンション:コーストタワー最上階(36階)で碁吉会主催の
コースト碁タワー2015秋」に招待されて参加させていただいた。

天候にも恵まれ超高層からの眺望は瀬戸内海の遠望も素晴らしく、
じっと言葉もなくたたずんでいました。


高野さんとは10年も前からの永年のご厚誼とばかり思っていましたが、
頂いた名刺&手帳で調べてみると、初めてお会いしたのは
ごく最近の3年前(1/26/2012)に囲碁教育研究会でした。
その碁会で初めて対局にその力強い石の運びの魅力に取り憑かれれました。
以降、碁吉会のGPリーグ(6/2015)に参加して楽しんでいます。



 一番の碁敵

 天谷さんとのこと




高野圭介



天谷さんは今となっては一番の碁敵である。
では誰が二番かと言われたら、
一番の人がまた、たくさん居るのである。
一番の中の、と言いかけて「いちばんという名の貼り薬」を思い出した。

そう、ネット碁「将碁友の会」でGPリーグを立ち上げて、
貼り薬みたいにねちねち欠かさず、
毎月碁を打っている碁敵なのである。
2015年9月GPリーグでは8戦全勝(全勝記録は初めて)
つまり、私も負けている。


天谷さんは筋が良くて、気っぷもいい碁を打たれる。その人との
創作の碁では最高の譜が織りなされると
心を躍らせての対局だった。
それが案に相違して、怪しげに妖しげに妖怪出没という
人間の業が滲み出た譜となった。




階上サロン・対局風景

以下は感想諸々



本当に白ペース?



白14と中に一間トビで碁が広くなり、
白ペースとなったか、とは、天谷さんの感想である。

黒35はハネが第一感か。
一間にトンでは、白38の出ギリに困ったと、天谷さん。

しかしそう単純では無く、
黒43は44オシアゲが急所で、44オシアゲなら、白打つ手に困っている。
白はそれを怖れていた。

譜は白46とトンで、全局的に白不満無し。

隅の手残り
黒57は隅に手残りとなって、魔が差した。
中央の忙しいときに黒87ハサミツケで防戦したが、大局に遅れた。

手がヨメる証拠・・・高野

白、負ければ敗着
 白、打ち惜しみの失着。
白90では左上オサエは味消しと思って打ち惜しんでいたが、
後の展開からすれば、今がラストチャンスだった。
したがって、単に白90は負ければ敗着となるところだった。

理由は以下の如く・・・

 乾坤一擲の反撃
黒115は乾坤一擲狙い澄ました反撃である。

本譜、実戦の進行は、白味悪く、
加えて左上黒の一団はすでにしっかり生きている。
ここで手抜きして、黒が右上に手入れして白を確保しておけば、
後はどうなったか知る由も無い。

ところが、黒のヨミ違いで、一手パスの手入れ。


 黒の鋭鋒炸裂か

からラッキーの終焉


白は勇躍右上を大きく生きたが、喜んで白142ツギは嗚呼、無情!
中央156とコスんでおけば味悪も消して、順風満帆と見えたのに、
義理堅くお返しのパス。ナンタルチア・ルンタナ。

最後、黒の鋭鋒炸裂かと思ったが、白167ツケコシで事なきを得た。
際どくラッキーの終焉となった。

思い返して  
本局を思い返してみますと、黒は拙い手が散見され、
白は的確にその弱点をつかれていました。
完敗でした。   天谷 記