高野圭介 百人一譜

      
 

眉目麗しい姿形

この危機に際しても、形の良い小山流は白に決め手を与えていない。


白番 高野圭介 vs  五子 小山俊弘

有馬六彩:ポニョオフの会    2015920日(火

97手完    白中押し勝ち

                                     感想文   小山俊弘

                                     自戦記   高野圭介


蟷螂の刃

 
ポニョオフの会

リタイア後というのに、現役ののままに近い忙しさ。
ただ今、休憩中とは言ってもOBなんですね。
リッチな場所で豪華食事つき、囲碁三昧ありがとうございました。


皆さまとの手合いもさることながら、
高野先生の百人一局に名を連ねることになりました。

どこまで行っても結局は棋力の差は縮まらないかと決心して
蟷螂の刃で立ち向かいました。



反省第一

攻める気概がない



なんとも委縮した内容と反省しています。
もっと思い切った碁を何故と、序盤から攻める気概がない、
攻めているようでも、却って相手を固めている等々、
せっかく教えてもらっているのに誠に申し訳ありませんでした。


上手の方と打つ場合には、
まずはしっかり守るところは守ることの大切さを改めて実感させられました。
即ち61ではやはり後からの白66の切りを防いでおくべきであった、
更に白76の切りに対しても一団の黒の生きを優先すべきだあったかと、
この大石が死んだ時点で投了。

情けないですがこれも今の実力です。




右が小山俊弘さん。石の形も良いが、打つときの姿勢も背筋が伸びて素晴らしい。

総括
お久しぶりのお手合わせです。
私の率直な感想は、以前から少しも変わっていません。

姿形に申し分ないが、
上手と打って、身を清める式の、指導碁的なあなあ専門碁で、
互先の生き生きした清濁併せ呑む碁から遠離っているように思います。

姿形の極意
黒好調の出だし、黒12の天王山。黒14サガリ。
これが小山式姿形の極意でしょう。

ジャブ段階
黒20は厚がった。21の上が急所で、左辺から攻めるチャンス。

黒26ツメは右辺に三連星ぐらい。ここは白が強過ぎるところで喧嘩にならぬ。

黒34サガリは打つなら、白35の一路上が形で、完全な活き。

黒44は45。突き抜かれては面白う無い。


負ければ

敗着黒60


負ければ、敗着黒60。
これで、右上を72と、眼持ちに手入れして活きておく。

おまけに、下辺を打つなら(今でなく)白63にツケから動く。
三本並んだ黒は厚がっただけで、実も無ければ傷だらけで打たざるが可。

置き石の威力
何となく変な進行だが、
最終、黒92カケツギは84の右のマガリが起死回生の妙手で、
大石のキリを防いで、白91の左のキリがものを言いそう。
なかなかクタバッタリはしていないで、白は怖かった。

置き石の威力、一着の価値は絶大だった。

眉目麗しい姿形  
思うに、この危機に際しても、
形の良い小山流は白に決め手を与えていない。
なよなよした石運びのようで、眉目麗しい形良き石の力。

これは凄いものだなぁと感嘆している。