End to end の怪

                                                       高野圭介



End to End Model
End to end とは「端と端を(縦に)つないで・・・」ということで、
例えば「We lined up the benches end to end. 」=
「ベンチの端と端をつけて一列に並べた」ということである。

これは、
インターネットで「エンド・ツー・エンド・モデル(End to End Model)」といわれる。



「エンド・ツー・エンド・モデルを
易しく言うのはそれはそれで難しいので、解説を記します。

ネットワークは単純かつ透明で、具体的なアプリケーションは
高性能なエンド・システム(ホスト)間(エンド・ツー・エンド)で実現すること。
インターネットの発展は、このエンド・ツー・エンド・モデルによってもたらされました。

 ネットワークは、ネットワークに接続されたすべてのノードの間で、
トランスペアレント(Transparent、透明・透過的)にディジタル・データを転送します。

「トランスペアレントなデータ転送」とは、ネットワークの中で、
 (1)IPパケットの中身を見ることなく(IPパケットの中のデータを解析することなく)
 (2)小包の荷札情報(IPパケットのIPヘッダ)が書き換えられずに、
送信元ノードから宛先ノードへデータが転送されることを意味します。


エンドツー・エンド・モデルでは、この単純かつ透明なネットワークを用いて、
高度な機能の実現は、すべて、ネットワークに接続された
ノード(エンド・システム)が行うことを意味しています。

エンド・ツー・エンド・モデル上では、
エンド・ホストに実装された(組み込まれた)新しいソフトウェアを、
世界中から自由にアクセスすることができます。

さらに、新しいサービスやビジネスを低コストで実現できるとともに、
迅速な普及を実現することができます。



 
グーグルの苦悩
グーグルが、2009年12月半ばに中国で、
中国の人権活動家のGメール・アカウント・IPパケットの中身をサイバー攻撃され、改竄された。

IPパケットの中のデータを解析され、書き換えられて、
本来の機能が働かない状態である。ここに中国から撤退するとかしないとか。

人生の End to end
、人生の End to end を考えてみた。

人の生死である。人が生まれて、死ぬ。

その過程は千差万別で、有為転変、万事塞翁が馬と、さまざまな人生。それを省略した時、
「人は生まれる時は皆同じだが、死ぬ時は一人一人皆違う。」と言われている。

碁の End to end
碁で言う End to end とは、第1手、2手は誰でも同じ。
しかし、
どこかで石が死ぬ時は皆違う。死なないまま終局して見ても、皆違う。



先だって、碁友の一人が言った。
「先日、**本因坊プロに打って貰った。**子置いて、勝った。」と。

「どんな碁だった?」と聞いたら、
「ゼンブ忘れた!」


インターネットのEnd to end は、皆そっくり残っているが、
碁では、ちょっと違う。

打った勝った!だけでは
、打たなかったのと余り変わらず、
中身の消滅した碁(棋譜を忘れてしまった碁)の
直截な End to end なのかなぁ・・・。

それが・怪・・だ。