複合汚染

                                       高野圭介


 有吉佐和子の

警鐘


有吉佐和子がかって、朝日新聞に小説「複合汚染」を連載した。
それは、工業廃液や合成洗剤で河川は汚濁し、化学肥料と除草剤で土壌は死に、
有害物質は食物を通じて人体に蓄積され、生まれてくる子供たちまで蝕まれていく……

毒性物質の複合がもたらす汚染の実態は、現代科学をもってしても解明できない。
おそるべき環境汚染を食い止めることは出来るのか?

そういった警鐘であった。

つまり、2種類以上の汚染物質が共存して、
人の健康や生活環境に相加的、相乗的な影響を及ぼすこと。




大津波と

放射線物質

 
 
東北大地震から大津波に見舞われた。
次々連鎖して、福島第一原子力発電所の事故で、
一時期、水道水から放射性物質が検出され、社会パニックになりました。

その後も、他県から下水汚泥、牧草、茶葉からも放射性物質が検出され、
調査すればするほど放射性物質が検出されるご時世となってきた。



大津波の破壊に、環境汚染物質に、
更に放射性物質が付加された複合汚染が増長しています。

しかも土壌汚染が問題になり、
放射性物質による汚染はますます深刻になりつつあります。

相手を

複合汚染させる

プロ




さて、
碁盤上の黒白の戦いを新聞紙上に見るとき、アマの碁は
一局を3譜に分割が精一杯で、それ以上は分けて記載できない。

それに比べてプロの碁は幾らに分けても観賞に堪えられると言われている。

これはアマの碁は単純すぎて直裁的なのに対し、プロの碁は複雑怪奇。
石のアジを見、アヤを見、タイミングを見、
つまり単純でなく、相手を複合汚染させる場面が続いている。

それを観賞すると、自分では出来そうにもない。
だから見ていてグイグイと棋譜に引き込まれ、恍惚とする程楽しい。


複合汚染を用意

高段の芸

 



ふと思いついた。

囲碁上達の妙薬なんぞある訳では無いが、良い手が見つかったと言っては、
見境も無く・・・すぐそこに赴いて、
アタリ・アタリを繰り返し、妙味も何もかも失っていないか?

あれこれと毒を撒き散らし、危機の落とし穴を作って複合汚染を用意しておく。
そうだ・・・つまり、巧妙な「カラミ」という手法

そういう深慮遠謀が高段の芸なのか!巧く出来るかな???