擬 態 (ぎたい)

                       高野圭介
 
保護色   
 擬態とは、生物が、その色彩や形、行動によって周囲の環境(地面や植物、他者等)と
容易に見分けがつかないような効果を上げること。カモフラージュとも言う。

保護色という言葉でよく知られるが、これは擬態の一種で
主に色彩だけでその効果を上げている場合を言う。

 ようすや姿に似せる

一見ミツバチのような、ハチに擬態したハエ
 
 他のもののようすや姿に似せること。

また、カメレオンのように自分の外見を変化させる能力を獲得して擬態するもの。


 動物が、攻撃や自衛などのため、体の色・形などを周囲の物や動植物に似せること。
あるいは、コノハチョウが枯れ葉に似せて目立たなくしたり、
アブが有害なハチに似せて目立つ色をもったりすることなど。

 


進化論による擬態の説明

 

 突然変異の結果  
擬態は、捕食動物による淘汰圧によって説明されることが多い。

つまり
、突然変異の結果、
偶然に他の自然物、たとえば木の葉などに似た形状に変化した個体は、
そうでない他の個体より捕食動物に発見される確率が減り、
生き残って子孫を残す可能性が高まる。


見事な擬態という現象
 その繰り返しが、あのような見事な擬態という現象を生み出した、という説である。

この説は一見合理的であり、確かに通常見られる擬態について
さほど大きな矛盾もなく説明できる。

 精緻なシステム  
 だが、擬態している昆虫たちをより細かく見ると、
そんな単純な説明では割りきれないほどそのシステムは精緻であり、
その念の入り方には執念すら感じさせられる。

 天文学的な試行錯誤
 確率論的な見地からすれば、

擬態と呼べるほどのレベルにまで到達するには
天文学的な試行錯誤が必要なはずだが、
現実に見られる擬態の例は、下に示す通り枚挙にいとまがない。

自然界においては、ごくありふれたことなのである。


 擬態とは  
 問題は、3つの視点から提起される。

1つは、擬態そのものについて。

他のもののようすや姿に似せること。
動物が、攻撃や自衛などのため、体の色・形などを周囲の物や動植物に似せること。



ベイツ型擬態のシロスジナガハナアブ:

腰に白い部分がありハチの細い腰を彷彿とさせる。
一定の場所を占有し、近づく虫や人を駆逐するような行動をとることがある。
飛び方や羽音もハチに似て、一瞬たじろぐ。

どのようにして

 擬態は生まれたか
 
2つは、どのようにして擬態は生まれたか。

必要は発明の親というように、「そうなりたい」という願望が、
何万、何十万年という長時間の間に、保護色や警戒色のみならず、
体型までそっくりさんに変わってしまう。

ただし、種族という中身は変わっていない。

碁の

擬態死か、

擬態活きか 
 
碁の擬態を考えた。

一つは、碁の擬態行為で、「味」がその一つ。
手がありそうでなさそうで、手が生じそうで、何もなさそうで。

つまり、手入れをするかしないか!本当に死んでいないのか?

 例えば、
「手を抜く」「いったん捨てる」「死んだふりしておく」高等戦術の一つ。

碁の 「問題意識」  
二つめは、上達法に「問題意識を持ち続ける」というのがある。

上手の棋風、碁風、etc.が好きだから、「そうなりたい」と真似をしている内に、
良きも悪しきもすっかりその碁が乗り移ってくる。

 擬態の新人  
最後に、「擬態の新人」というのがある。

新人を装った常連のことで、このような事態に直面した方も少なくない筈だ。

「あ、あの…私…その…はじめて…だから…やさしく…してください…」