碁盤上の海抜0b地帯

                                             高野圭介

八頭身美人
 昔、ミスばやりがあった。

 昨今では余り聞かないが、これは八頭身で、
眉目麗しく情けある女性を選ぶセレモニーである。

 戦後、1953年に伊東絹子がミス・ユニバースで3位となり、
「八頭身美人」が流行語になったりした。



 以降、ミス・ユニバースが皮切りとなって、
ミス・ゆかた。ミス・**町。ミス・蜜柑。ミス・道頓堀。ミス・姫路城。・・・と、
日本中を席巻した。

 崩れた感じ
 その逆もある。
「人間社会でも崩れた感じの人」ってあるじゃない。
何となく清楚というのと逆で、うらびれた感じ。

 何がこのような
「形の崩れ」を演出するのだろうか?

八頭身の碁
 形の善し悪しは碁形の基本である。
 碁で「形」というのは「筋」と相俟って、碁のベースを形作っている。

確かに良い形の中には本手が潜んでおり、容易に崩されないし、
無駄のない八頭身の強靱な碁の根幹を為している。

碁は形の崩しあい
 その昔、アマ強豪の一人が
「碁は形の崩しあいじゃないかと、思うで」と喝破した。
 これが碁の戦いであることはようく分かる。

 
オランダ化の

海抜0b


 日本の地形を見ていると、地図の輪郭は海岸線である。

このたびの
東日本の大震災で、地盤が沈下して、海抜0bが随所に現れている。
まさしく、オランダ化してきた。

 更に、火力発電の増加でCO2が増えて温暖化すれば
更に海水面が上昇し海面下の土地は増えることは必至。こりゃたいへんだ。



崩れあったもの同士
 その積もりで、碁を見ていると、
その戦いの以前に、自分の方から崩れているのに出会った。

 出会ったというものではない。
崩し合いどころか、元々崩れあったもの同士で、持ちつ持たれつ崩れあっている。
これにはオドロイた。

八頭身ライン


 碁盤上の海抜0b地帯は輪郭とか、境界線とかで区切られているが、
海岸線の線でなく,松島の名勝のように、
島々の点で結ばれているように茫洋としていて、
見とれているだけで、どうも線がハッキリしない。

スカッとした形で、鮮やかな手筋でスマートな八頭身ラインを描こうではないか。