民主党の政策決定方式と碁の信念決定方式

                                                     高野圭介


NHK・TVの「日本のこれから・・・鳩山新政権に問う」を見た。
各界のさまざまな人の発言を中心に会は進んだ。

一つのテーマに私は釘付けになった。
「行政と官僚の関係」の問題で、果たして、行政は官僚のコントロールを巧くできるか?である。

官僚の試案 
これまで自民党時代は、何をどうするかについて、
官僚の作成した試案を、大臣を通じて内閣の承認を得る、というスタイルであった。

それを、民主党では、行政が政治の方向性を決めて、やり方を官僚の試案に委ねたら、
一つの試案を持ってくるという方式に替えるというのだ。

更にこれを修正して、
複数の試案を作らせ、それを検討するのはどうか?と言う案が提起された。

橋本宇太郎総帥 
私は「碁の打ち方」にその真髄を見た。

その昔の話である。
あるとき、橋本宇太郎総帥に訊ねた。

「一つの局面で、A/B/C と、数カ所を読んで、その中からベターを選び、ベストを決定するのですか?」と

先生は
「私は一つの局面で、打つ手はただ一点、そこを丹念に読む。右顧左眄はしない。」
私は驚いた。私の憶測とは全然違っていた。

つまり、橋本説は民主党の政策決定方式の複数の試案は有能な政治家には不要と、
喝破されているようだ。

信念決定方式 
私には、そんなに多くの有能な政治家が多いとは思えないし、
資料蒐集分析家である官僚無くして生きた政治は無理!と思っている。

両者は主従関係よりむしろ、政治家と官僚のより良きパートナー関係を作って、
車の両輪になるのが好ましい関係ではないか?

やはり碁は自分の思想・哲学を基盤とし、
自分自身の信念決定方式をベストと奉じて、盤上に表現するものと思う。