囲碁定石の精髄

「21世紀の打ち方」 呉清源著 より 1997.06刊行




10年前は「ひと昔前」といわれる。
呉清源の囲碁の精髄論は古くて今なお新しい。
今、再び読み返して、思いを新たにするものである。

中でも、定石に関する哲人・呉清源の言葉をここに伝えたい。

                                                         高野圭介

 定石中毒
碁には定石という便利なものがあります。
定石に通じた人は序盤の内は大いに安心しておられる事でしょう。

私(呉清源)の見るところでは、定石がそのまま、
その局面に適合することはむしろ珍しいくらいなのです。
とすれば、定石とは言っても、安易には打てません。

定石とはその場場面に応じた、最善手の連続です。
時には見たことも無い手がその場での「定石」になることもあります。

定石は良い薬でしょうか? 症状に会わない薬は毒薬です。
定石中毒にはくれぐれもご注意の程を・・・

 
 定石手順
定石に是非は無く、要はその定石が周囲の情勢に合っているか、どうか。
また今後、どのように適合させて運用するかに尽きるのです。

ただし、
定石以前に常識があるということを頭に入れておく必要はあります。 p.30

 定石の選択
目外しに高掛かり定石 .52 

活きた石にキカシと見る。
したかって、白10で、11とは打たない。

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ノゾキにツガぬ馬鹿!
1.高目に小目にかかり、外付け定石 p.65

左上の白は最悪。下辺の受けがよい。

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2.大大ケイマにツケの変化。 p.208

黒がツケた後、白からは「切った方を押せ」というセオリーがあるが、
お互いにごく自然体に変化して、黒は大いに良しとなります。

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定石の今昔
星のケイマ掛かりの時、上からケイしたとき、押さえる方向は昔とは逆だ。p.222

上辺の昔の方向は間が抜けている。下辺の動きに準ずべし。

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2.星に両がかりの時、考え方に今昔の感あり。 p.120

変化中、隅の1子を接ぐのは、眼形に乏しい。
左下に準じて、良し。今昔の感あり。

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