囲碁の逆進性とは

                                                              高野圭介

 逆進性
逆進性(reversibility)とは、それぞれが逆の方向に進む傾向。

例えば、消費税率が上がると低所得層はエンゲル係数が高いから、
収入に対する食料品などの生活必需品購入費率が高くなり、
高所得層よりも税負担率が大きくなるということ。

この現象を、菅総理は消費税5%を10%にすれば、
低所得者は逆進性が高くなる、と、言っている。

逆進の原理(reversibility principle)とは、
光が進む途中に鏡を置くと、光がもと来た経路を逆に辿って進む,という原理。

 
その実験

鏡に写る像


 
ここに全身が写る鏡があります。壁に垂直な鏡の場合、
最低何cmあれば全身を写すことができるでしょう、という問題です。

例えば、身長150pが半分の75pの鏡で全身が写っている。
すなわち、その大きさが等身大に見えるというのは何たる不思議なことか。
これは光の逆進性から起きる現象であり、鏡に写った像は『虚像』である。

中学校1年理科『物理』より





囲碁の逆進性



光でなくても、ぶつけたら、そのまま跳ね返ってくる。
そんな現象が、囲碁ではどのようなものだろうか?と考えた。

1.
強く戦えば、激しい戦いになる。

2.
 石を取りに行ったら、取られることが多い。

3.
マネ碁をしかけられたら、打ちにくい。
けれども、どこかで、自分が  マネ碁に入る可能性もある。

4.
初二段クラスの碁は逆進性が高く、
5段と打てば、5段に近い良い碁になるのに、
3級と打てば下達され、3級の石になってしまいます。

これは蜃気楼にも似た面白い現象で、5段以上となると、
この蜃気楼現象は見られません。

5.
プロの指導碁。

例えば、太鼓の音です。大きく打てば、大きく、小さく打てば小さく、音が鳴ります。

この逆進性現象は、プロの碁も同じで、どんなものをぶつけても、
逆進性そのまま返ってくる。これがプロの真骨頂。