囲碁は「地の戦争ゲーム」論


 戦争ゲーム?包囲ゲーム?


                                                              高野圭介

 盤上ゲームの分類
盤上ゲームの権威・増川宏一はゲームを5つに分類している。

1.競争ゲーム。2.配列ゲーム。3.戦争ゲーム。4.包囲ゲーム。5.マンカラ・ゲーム。

代表的なものとして、戦争ゲームは将棋。包囲ゲームは囲碁。

注:戦争ゲームは枡の中を動き、包囲ゲームは線の上を動く。

 囲碁のジャンル
ここに、囲碁について、

「囲碁はごく単純な包囲ゲームから発展したと考えることは決して無理はない」と言っている。

『盤上遊技』増川宏一著より

 囲碁・「包囲ゲーム」
確かに、囲碁は包囲だけでは勝てない。二面性があって、正体は掴めない。

先ずは包囲に始まって、戦争が包囲に優先する進行が見られることだ。


新説

 囲碁「地の戦争ゲーム」


 囲碁は「地と戦いとの二つの要素が交差したものである」ために、
「地の戦争ゲーム」であろう。

棋風が、「地に辛い棋風と戦闘型棋風」に分かれる。

あるいは加藤正夫九段は、これを「量の囲碁と質の囲碁」に分類した。

ソウル・明知大学校・囲碁研究学科教授 韓国棋院棋士 チョン・スーヒョン九段

棋風の分類体系
現実に、分類体系を相反する棋風別に挙げると、

領土型棋風  vs  戦闘型棋風

素早い型棋風 vs  厚い型棋風
 
実利型棋風  vs  勢力型棋風

原理型棋風  vs  自由型棋風

 実戦的な碁の棋風
それとて、その人の棋風がベースとなっているように見えても、
相手により、成り行きにより、
対局進行の事情で反対の棋風で打つようになったり、
途中で変わったりして、決して定まっているというものではない。

棋風という技芸的、美学的な側面からのみで見るのではなく、
実戦的な活きた碁の側面からも棋風を論じるべきである。