カムイミンタラ・大雪山

2009年4月21日〜24日


カムイミンタラ「草鹿農場の想い出」より

モモジとキンザ物語





                                           高野圭介

 
大雪山の朝
大雪山の朝は早い。5時前にはすでに明るい。
私らは雪に足を取られながら白樺林の径を進んだ。

ここはカムイミンタラ・神々の遊ぶ庭、
そのすそ野というのが正しいのだろう。

アイヌのカムイ
神々は高い山の頂あたりに棲む。
神は人間に豊かな恵みを贈ってくれる自然である。

アイヌにとって、鹿、狼、鮭、魚は食料であった。
熊は山の鯨のように、たまに狩猟があれば村中が潤う。
アイヌは神の贈り物と享受した。

カムイは神であり、動物や植物、火や水など自然界に宿る精霊の中で、
とくに尊敬されているものをカムイと言う。

熊はカムイとなり、
熊の霊に捧げる祭礼イヨマンテをもって感謝の念を表した。
梟もカムイとなった。


    

おお、奇遇!・・・・突然現れた・・・・・鹿・・・・・・熊・・・・・・狐・・・・・思いがけない大歓迎!

メノコ勘定
アイヌは文字を持たなかった。歴史は伝承の中に生きている。

虐げられたアイヌからは数字に弱いという
笑い話のような「メノコ勘定」という言葉さえ生まれた。




アイヌ語の中にも方言があり、
大きく北海道、北千島、樺太の3つに分けられています。

明治時代になると、
日本政府はそれまで蝦夷地と呼んでいた場所を、
新たに「北海道」という名前にして、植民政策を始めました。

アイヌは日本国民とされましたが、
制度の上でも今日まで続くいろいろな不平等があります。



白樺の寿命は人間と同じ。  柔く、か弱い樹だが、繁殖力は旺盛。


 
タウシュベッツ
この地の人達は大雪山を「タイセツザン」と濁らずに呼ぶ。
正しくは大雪山系で、独立した大雪山は無い。
山々にはそれぞれ名前が付けられている。

そこから流れ出る川はその山の名を冠している。
タウシュベッツ山から流れ来る川はタウシュベッツ川
今、私たちはその川畔にいる。

 
ヌタプカウムシュッペ
タウシュベッツ橋梁は糠平湖の水位の変動により、
橋が水没したり、見え隠れたりする「幻の橋」となっている。

毎年、6月頃から翌年の1月までは完全に水没してしまう。。
村の人はその川の源泉に思いを馳せ、
ヌタプカウムシュッペ=曲がりくねった川の奥にあるところ。と呼ぶ。
まさにユートピア・カムイミンタナそのものである。

2時間後、7時過ぎ、ホテルへ帰った時、足先が痛いのに気がついた。
これは−3℃のなせる業と教えられた。


カムイミンタラ





滝ミンタラ




カムイミンタラ(神々の遊ぶ場所)


                           作詞作曲 後藤祐二

白い化粧は 大地の眠り
土の吐息が 春を待つ
カムイミンタラ 夢の中
雪の陽炎 ゆらめく幻
カムイミンタラ 踊れよメノコ

銀河悠久太古のロマン
光の笑みが 舞い降りる
カムイミンタラ 輝いて
熱い血潮が雪原を染める
カムイミンタラ かがり火燃える

うねりをあげて 大地が燃える
地球(ホシ)の息吹が 渦を巻く
カムイミンタラ 夢景色
時の流れも まどろみの時間 
カムイミンタラ 太鼓が響く