やる気・負けん気・ど根性

                                                 高野圭介

シングルスの負けん気 
テニスで休憩の時だった。

「シングルスをやろうか?」と誘われて、つい、フラフラとコートに立った。

私のリターンで始まった。ダブルスと違って、全部自分が打たねばならない。
1球1球自分で打つ。その忙しいこと。
自分のボレーが決まり、スマッシュが快音を立てた。
良い立ち上がりに、やる気・負けん気に火が付いてきたようだ。

その時、又もや高く深いロブが上がってきた。
そこで、負けん気のど根性が身体をバックさせたのがイケナイ。
ズーテンドーと、転んでしまった。幸運にも大事に至らなかったが。 

 老躯に転倒は禁物


老躯に転倒は禁物である。ここでいろんなことを考えた。

1.歳も考えないで、負けん気に火を付けつとは未熟。
2.自分の力以上のことに挑戦することは素晴らしい。
3.昔の名前は今なお、いつまでも出てくるんだよなぁ。

 風呂の クールダウン
 
今、やる気があっても、ノウハウが分からず、適切な助言も難しくて得られず、
決断に不便を感じていることが一つある。

プールで30分泳いだ後のクーリングダウンのことだ。

整体の先生から、風呂→サウナ→水浴→風呂の入り方が良い。

中学校の体育の先生は、血圧の急激な変化が生じるから考えろ。

インストラクターは各人の好みがあるので、自分で考えろ。

医者は、たいした運動量でないから、
クールダウンはそう難しく考えなくともよいかも。
私(医者)にも言えることと言えないことがある。
血圧の上下は必ず起きるので、
まあ、危険なことは敢えてしなくて良いのでは。




これにはマイッタ。私には健康のためには何でもやる気充分だけど、
何でもない風呂の入り方だけでも何が適切なのか?いや、難しい。

 
 プロなら、こう打つ  
そういうと、
碁の対局中、今でもそうなのだが、いよいよ難解という場面の時は、
自分の許容された限界を通り越しているのに、
ヨミの結論が出なくとも、「プロなら、こう打つ」という手を選ぶ。

だって、プロも並みの手だけで勝ちに導くことは難しい。
「普通あり得ない手から考えろ」が身上と聞いたことがあるではないか。



老躯のスタミナ切れ  
一局の碁の推移を見ると、
序盤では「見合いの原理で打て」という説もあるから、
私は、「未だ負けてないと、一着の価値を信じて味よく、
ゆっくり打つ」のを身上としている。

しかし、いつまでもそうゆっくりした打ち方も出来ない。
中盤からヨセにかけては「先手が大事」と、
やる気のど根性が勝利の女神を手繰り寄せるものと、
負けん気の差し手争いとなってくる。

ところが、
老躯独特の、その頃にスタミナが切れてくるという悲しい性がある。
そこには想像もしないポカとか、ミスなどが顔を出す。

 碁も体力勝負

 
昨今、強い人が弱くなってきているのは体力が脳の活動に大きく関与することを知った。

体力の減退から一局の碁を支えているやる気・負けん気・ど根性も霧散していくであろう。
碁も体力勝負を避けられない。棋力が落ちてくると、天下の秋を知らねばならない。

嗚呼、無常!